閑人亭日録

岡崎乾二郎『抽象の力』ニ

 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房2018年初版を少し読む。

《 すなわち全体を視覚的に眺めて構図を決めるよりも、いわば個々の事物が示す具体的な要請に沿って(手の感覚に従って)仕事を進めたほうが効率もよく、 最終的に整合的な秩序が生み出される。一望的な視野からトップダウンで決める秩序ではなく、個々の部分の相互関係からボトムアップで決められる秩序ともいえるだろう 。これは決してデタラメな方法ではない。むしろ作業の必然に沿っている。 》 「第I部 抽象の力 本論」 47頁

 上條陽子さんの絵画、白砂勝敏さんの造形作品の制作過程も同様だろう。
 http://web.thn.jp/kbi/kamijo.htm
 https://shirasuna-k.com/

《 たとえば高橋由一の《花魁》などは油彩表現の二大長所であり、かつ矛盾する触覚的な質感表現力と透明な空間表現力、加えて浮世絵および当時の肖像写真撮影方法に おける平板な視覚的印象の強調という、複数の表現形式が作り出すズレをあえて強調するとき生まれるリアリティを追求することにおいてクールベにも通じる表現となって いた。 》 「第I部 抽象の力 本論」 62-63頁

 ここまで読み込むか。

 夏目漱石の『草枕』『明暗』への深い分析に、二作を再び読みたくなった。私は何を読み取っていたのだろう。

 知人が出しているフリーペーパー『南大分マイタウン』最新号の氏の短歌。私のことだな。

   三ずいにRと書いて沢と読ます手書き文字なら何にも言えず

                            御沓 辛止
 https://www.m-mytown.com/blank-54

 東京新聞静岡新聞に故やなせたかしへの言及。きょうは誕生日。

《 アンパンマンも当初は「顔を食べさせるなんて残酷」などの声があったそうよ」 》「日々チョウカンヌ」東京新聞

 雨は夕方近くに上る。気分がやっと晴れてくる。

 ネット、うろうろ。

《  本日2月6日は「風呂の日」。
  「私はメーテル。ひとっ風呂浴びて、荒稼ぎする無法の女……」 》 図解博士_高速バスター ミナル 発売中
 https://twitter.com/skull_bear/status/1092803626945429506

《 小原古邨 》 青い日記帳
 http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5379

《 米大陸先住民の大量虐殺、気候変動の原因に 英研究 》 CNN
 https://www.cnn.co.jp/fringe/35132233.html

《 日本も、経済学のテクニカルな議論もいいが、そもそもどういう新しい価値をクリエイトしていって、これから何で喰っていくつもりなのか、 そっちの議論をもっとすべきだろう。「成長戦略」とか言って、そういう話をするんじゃなかったのか? 》 平野啓一郎
 https://twitter.com/hiranok/status/1092952323293306880

《 マルクスの思想を子細に検討してみればよい。マルクスにとって批判は、単なる否定ではなく止揚だ。それは、宗教にしろ国家にしろ資本主義にしろだ。 宗教は阿片だからやめろではなく、阿片のような宗教を必要とする現実を変えろという立場だ。 》 千坂恭二
 https://twitter.com/Chisaka_Kyoji/status/1092992429999874048

《  耐震偽造で、姉歯だのヒューザーだの国会に呼んだじゃないか。あれみんな民間人だぞ。

  統計偽造で民間人呼んで参考人として意見聞くのが何が悪いんだ。
  しかも、自民党公明党は、「担当者でなくなった」という意味不明の理由で、前任担当者の政府職員を国会に呼ぶことさえ拒んでる
  一切理解できない 》 菅野完事務所
 https://twitter.com/officeSugano/status/1092732581290795009

《  倒産しそうな会社って粉飾決算とか,とにかく色々ごまかして全力でその場しのぎするでしょ。

  それが今国家規模で起きてるわけですよ。 》 明石順平
 https://twitter.com/junpeiakashi/status/1092729123116441600

《 未来の歴史教科書に載るよな、これ。「アベノミクスによる戦後最長の好景気に沸く中、一方ではデフレにより、50円の窃盗事件で犯人は14日間、 代用監獄に拘留されるなど、庶民は苦しんだ」(ことば)代用監獄 》 sanpoudo
 https://twitter.com/sanpoudo/status/1092814867222880256

《 森羅万象担当大臣 安倍晋三 》

閑人亭日録

岡崎乾二郎『抽象の力』

 岡崎乾二郎『抽象の力』亜紀書房を少し読む。

《 いずれにせよ、キュビズムの前提にあったのは、感覚与件=視覚を含めた個々の感覚器官が刻一刻と感受している情報と、対象の認識=人が対象と把握していることは まったく異なる次元の事柄だという認識である。 》 「第I部 抽象の力 本論」 14頁

《 漱石が示したように、あらかじめ統一された対象が実体としてあるのではない。ばらばらに入ってくる感覚刺戟=感覚の断片が、それを感受した人の脳の中で知的に 作り出す構成が対象である。この落差(プロセス)が絵画の力を作り出す。 》 「第I部 抽象の力 本論」 21-22頁

《 つまり表現されることではじめて、とりとめのない感覚、感情の集まりは一つの特定の概念として定位されるということである。 》 「第I部 抽象の力 本論」  24頁

《 言い換えれば見える姿としては代表し表現することのできない、はるかに広い潜在的な領域こそが実在する。その実在はいかに把握されうるか。その能力が象徴 あるいは抽象に託されている。 》 「第I部 抽象の力 本論」 24-25頁

 朝、中郷温水池下流の農業用水路でカワニナ採り。帰りがけにホタルの観察をしている年配の知人に放流をお願い。喜ばれる。帰宅。汗ばむ。冷や汗ではなく一汗。 コーヒーが美味い。
 午後、確定申告の書類を会計事務所へ郵送。確定申告の時は自分でもわかる深刻な表情になる。とりあえず送ってやれやれ。久し振りにLPレコードをかける。 Dxter Gordon『 One Flight Up 』1964年。半世紀近く前、高円寺あったジャズ喫茶サンジェルマンで聴いてぞっこん。大金をはたいて輸入レコード店で購入。
 https://www.youtube.com/watch?v=TUOivCL5imA
 このユルさがいい、いいねえ。疲れが抜けていく。
 知人女性が三十年ほど前に応募した論文に興味を持たれた。その「水と緑の情感都市へ」はネットに公開してある。
 http://web.thn.jp/kbi/mizutomidori.htm

 ネット、うろうろ。

《 はっきり書こうか。「日本画」というジャンルは昭和天皇崩御と同時に自ら消滅を宣言すべきだったし、それしなくても事実消滅した。以上。 》 会田誠
 https://twitter.com/makotoaida/status/1092448801518809088

《 「洋画」なんてもともとなかった…今月のBRUTUSの、ともすると日本画ばかり褒めてる僕の論調は、突き詰めればそんな感じかもしれません… 》 会田誠
 https://twitter.com/makotoaida/status/1092464102545346565

《 もしこの中でお為ごかしの所詮は商売に使われる「平等」などより留保無しの「自由」を求めると言うのであれば、PC側に反発して「反規範」や「反保守」 を気取っているのではなく、この国家・経済体制とその元で花開いた資本主義カルチャー(芸術含む)を根底から問い直すという構えでなければならない。 》  大野左紀子
 https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/1092652527001063424

《  ところで、統計不正の話って本当にやばいと思いませんか。
  だれの責任とか、誰それ辞めろとかじゃなくて、これはもう、国ぐるみの粉飾決算なので、国家の経営状態が誰もわかんなくなっちゃうわけですよ。 何が正しいかわからなくなった、末期の日本軍を見るようだ。 》 岡田ぱみゅ
 https://twitter.com/Awesome_Okapamy/status/1092438976659484672

《  なんじゃこの記事。ゴミの穴の写真が違っていた事を藤原工業が認めた事について触れていないではないか。 問題の核心はこのデタラメな報告書を根拠に国は国有地をタダ同然で売り払った事なんだよ。
  森友学園問題 立民・共産の議員の発言に工事業者が反論 | NHKニュース 》 たつみコータロー参議院議員 日本共産党
 https://twitter.com/kotarotatsumi/status/1092625727839588353

《 女の子も男の子も育ててきましたが、1番言うことをきかないのは猫です。 》 圭
 https://twitter.com/momohiro82346/status/1091533736821182465

《  わたしだれ?
  ふあん、どんどん、
  あふれだしたわ。 》 コジヤジコ
 https://twitter.com/cozyar_kaibun/status/1092433213450989568

閑人亭日録

「死ぬまでにこの目で見たい日本の絵 100」

 発売中の雑誌『BRUTUS』の特集「現代美術家会田誠の死ぬまでにこの目で見たい日本の絵 100」がじつに興味深い。『BRUTUS』一昨年6月15日号の 特集「人気画家・山口晃の死ぬまでにこの目で見たい西洋名画 100」の日本編だ。また、『芸術新潮』去年の5月号の特集、山下裕二をチーフナビゲーターとする 「これだけは見ておきたい最強の日本絵画 100」といい対照をなしている。「死ぬまでにこの目で見たい日本の絵」vs.「これだけは見ておきたい最強の日本絵画」。 けっこう重なる。『芸術新潮』の表紙を飾った『日月山水図屏風』はそのひとつ。

《 山下 間違いなく国宝に一番近い重文ですよね。 》 64頁

《 山下 宗達は鉈でぶった切るように野蛮に描くタイプですが、その源流がこの屏風にある。 》 65頁

 去年国宝に指定。『BRUTUS』では題名が『日月四季山水図屏風』と長くなる。

《 やまと絵の定義はイマイチよくわからないのですが、やまと絵と呼ばれてるこれに限って言えば、なんでも形が丸っこくてほのぼのしますね。 峻険な岩山を描くことが多い、中国をお手本とした風景画に比べて。 》 65頁

 対比して解説文を読んでいくとなかなか面白い。が、引用は疲れる。

 午前十時、一昨日の作業で気になった、かわせみ橋付近の川底の茶碗のカケラなどを拾う。夏場は流れが早く水深もあるので拾えない。重くなって終了。一汗。帰宅。 着替える。コーヒーを淹れる。美味い。
 橋本治 編『久生十蘭国書刊行会1992年初版が古本屋から届く。700円。橋本治の解説を読みたくて購入。
 昼前、掃除機が壊れたので近所の電気店へ。今までのものと型式がほぼ同じパナソニックの安い紙パック掃除機を注文。
 午後、芹沢光治良記念館で五月に開催する牧村慶子展の打ち合わせ。
 夕方、掃除機が届く。さっそく試運転。おお軽快。新しいのはいいねえ。

 夜、電話で友だちと美術談義。友だちは『BRUTUS』に掲載の31番、川端龍子『草の実』が凄いと言う。たしかに。会田誠の解説。

《 近所の無価値な雑草を、金という価値もある画材で描いて、しかも御仏の慈悲心も絡めるって、かなりコンセプチュアル。しかしそこに留まらず、 ススキなどを長いストロークで、もちろん一発で描く技術、漢(おとこ)!って感じです。 》 39頁


 ネット、うろうろ。

《 なぜ今、“悲観のすすめ”なのか――橋本治に訊く(5) 》 幻冬舎PLUS
 https://www.gentosha.jp/article/6608/

《 追悼・橋本治さん「女子高生の口調で真っ当な小説を書こうと思った」/矢内裕子 》 AERA dot.
 https://dot.asahi.com/aera/2019020200009.html?page=1

《 虐待かも...と思って児相に電話をかける際には必ず『通告です』と言ってください。「虐待かも」などど言ったところで動くことは少ないです。 『通告』という言葉を使うだけで児相は必ず動きます。なかなか子供に関わる職業じゃないと知らないと思うので拡散して下さい。 》 ロバート
 https://twitter.com/CharlesRobert__/status/1092105897596207105

《 「2018年の実質賃金大半がマイナス」の舞台裏 》 モノシリン
 http://blog.monoshirin.com/entry/2019/02/04/004920

《 お待たせしました。ジオラマ完成です。時は昭和29年、特撮怪獣映画「ゴジラ」が公開されました。満員の劇場では初めて見る大怪獣の姿に観客たちが 驚愕しております。あの頃の少年時代のワクワク感を思い出して作りましたよ! 》 山本 高樹
 https://twitter.com/kahu2017/status/1091545450086199296

閑人亭日録

橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』八

 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読了。「あとがきのようなおまけ」がすごい。

《 前近代の制度社会に「孤独」がないのは、この基本単位が「個なる人」ではなくて、「家」という人の集合体だからです。だからこそ、前近代の制度社会は、 「孤独」を許しません。 》 253頁

《 「孤独」というルートを拓きながら、近代はその行先を相変わらずの制度社会=前近代に設定したままだったのです。 》 256頁

《 「孤独に転落したくなかったら、この制度に従順であれ」とする点で、二十世紀後半の日本社会は、まさしく「近代の装いをまとった前近代の制度社会」となった のです。 》 257頁

《 「自立」は、「近代の装いをまとった前近代的制度社会」を目指しません。目指すのは、「近代の非制度社会」とか「脱制度社会」という、まだ存在しないものです 。 》 257頁

《 「自立」とは近代が発見した、「孤独」の新たなる後継者です。 》 257頁

《 そして、「自立」は本来、「孤独」の前にあります。 》 258頁

《 「個の中に社会建設の方向性はある──あらねばならない」と考えなければなりません。そう考えなければ、「孤独」と同じように、「自立」もまた無意味に なります。そして、この考え方を採用しなければ、人の作るどの社会も、「人として生きている実感を欠く社会」になってしまいます。 》 258頁

 なんとも訴求力のある文章だ。励まされる実感。そして今、先見の書、予言の書としてもある。

《 二十一世紀初頭の日本社会の混乱は、官僚の腐敗と経済の不振を歴然とさせたまま、「古くなってしまった政治」をあぶり出します。古くなってしまったのは 「政治」だけなのか? 》 256頁

 今もってその泥沼から抜け出せなず、さらに沈んでいく日本。畏るべし、橋本治。合掌。

 友だちと各駅停車に乗り静岡駅下車。芹沢けい介美術館へ行く。常設展示では松の絵を描いた二つの扇子が縦横に整列している作品がイチバンで一致。売店には その絵葉書はなかった。残念。企画展示の仮面と服飾は見応え十分。土着から立ち上がる生命力がガンガン漲っている。評論家の故平岡正明の「土着とは靴底に土が ついていること」といった言葉が浮かぶ。現代アートの多くが貧相に見えるのは、彼らの作品には土着がないから。見ごたえのある展示だが、現地の人がそれを装着、 着ている写真が一点もないことが残念、点睛を欠く。白井晟一設計の石造りの堂々たる建物は一見の価値あり。まあ、建物を見たくて行った。
 https://www.seribi.jp/

 ネット、うろうろ。

《 チラシに掲載されている白井晟一《原爆堂》は不出品となりました。 》 「もうひとつの建築史」埼玉県立近代美術館
 http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=386

《 描きました。ああ、壇上で描きたかった… 》 会田誠
 https://twitter.com/makotoaida/status/1091702046607106048

 平山郁夫『広島生変図』六曲一双1979年を下敷きにしていると誰も指摘しないのかな。そこが見どころ。

《 ある程度知識が増えると、「これは簡単には言えないぞ」となるんだけど、もう少し進むと、簡単には言えないけれどもここくらいは言えるし、言っておくべき、 みたいな見極めができるようになる、のかもしれない。 》 倉下 忠憲
 https://twitter.com/rashita2/status/1091597949451218944

《 10冊くらい本を買って1冊も読み切らないうちに次の10冊買ってしまう人生 》 寒い能町みね子
 https://twitter.com/nmcmnc/status/1091323553473912832

《 お前が国難 》

閑人亭日録

橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』七

 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読み進める。

 『枕草子』「第二百八十三段」の分析は、じつに鮮やかで舌を巻く。

《 「私が素敵だと思う」ではなくて、「他人が”素敵だ”と思う人と、私は一緒だ」なんですね。 》 「第三章 背景としての物語」 169頁

《 その美しさを実感させたのは、「恋という思考停止」ではなかった。「自慢できる!」という、他に対する万全の優越感による思考停止だったのだと、 私は思います。 》 「第三章 背景としての物語」 170頁

 参った参った。

《 「美しい」という感情は、そこにあるものを「ある」と認識させる感情です。 》 「第三章 背景としての物語」 173頁

《 私の言うべき結論は、「豊かな人間関係の欠落に気づくことが、人の美的感受性を育てる」です。 》 「第三章 背景としての物語」 174頁

《 「美しい」は「憧れ」でもあって、「憧れ」とは、「でも自分にはそれがない」という形で、自分の「欠落」をあぶり出すものでもあります。 》「第三章  背景としての物語」 176頁

《 人生に立ち向かわない美意識は、「美しい」の近くまで行って、「美しい」に届かないのです。 》 「第三章 背景としての物語」 184頁

《 兼好法師が孤独なら清少納言も孤独で、それを言うなら、歴史に名を遺す人のほとんどが孤独です。孤独でもなかったら、「歴史に名を遺す」などということをする 必要がありません。 》 「第三章 背景としての物語」 188頁

 北一明を思う。

 昨日ニ軒先の100円ショップ・ミーツがリニューアル・オープン。二階まで店になり、売り場面積が三倍に。昨日友だちと訪問。友だちは二階の文具に目を輝かす。 鉛筆からテープカッターまで白一色で統一されている。文具は無論、飼っているインコの遊び道具にする小さなボールまで友だちはかごに入れる。私はいつでも行ける ので見てるだけ~。菓子は、ダイソーのほうが私好み。羊羹とムキ栗は大人買いしてある……また買わなくては。
 午前十時前、源兵衛川中流部、水の苑緑地の土手の草を除去。一汗。午後二時半終了。帰宅。三時のコーヒーが美味い。

 ネット、うろうろ。

《 宣伝いたします。日本の古い絵を全然知らない人にこそオススメです。100のチョイスは教科書通りの有名作ばかり。最低限の教養ゲットに。 類書はあるでしょうが、こちら、お安いです。僕の100コメントは前代未聞のいーかげんさですが、暇つぶしにどうぞ。ライターさんのマトモな解説もあるのでご安心を。  》 会田誠
 https://twitter.com/makotoaida/status/1091120581938802690

 『BRUTUS』、昨日購入。それを見た友だちは帰りにコンビニで購入。感想は後日。

《 ああ、今日も東急東横線に乗るために渋谷を経由しなければならない。嫌だ。憂鬱だ。駅構内の広告の一枠を買って、『初恋と不倫』(坂元裕二著)の この一節を貼りだしてやりたい、そんな気分です。 》 万城目学
 https://twitter.com/maqime/status/1091245843863109632

 改装されてから渋谷駅を利用していない。

《 我々の年金資金14兆8.039億円が消えて無くなったわけではない。我々のお金から、どこか外の国の人の所へ所有権が移行してしまったわけ。 アベノミクス相場で大儲けした者たちに売り抜けられた結果であり、それは意図されたものではないのかな。 》 kita
 https://twitter.com/kitakazuo/status/1091444029881954304

《 公文書改竄、統計不正、虚偽統計。ここまで来ると、最後の砦と思ってきた選挙も、本当に正しく行われているか疑わしくなってきましたね。 参院選は、国連に監視してもらいたい。 》 Koichi Kawakami
 https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1091562853465608192

閑人亭日録

橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』

  橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読み進める。

《 『枕草子』を書いた清少納言が「時代の中に生きた美の冒険者」であるのに対して、『徒然草』を書いた兼好法師が、「時代の中に生きなかった美の傍観者」である という違いです。 》 「第三章 背景としての物語」 128頁

《 「自分」という存在は自分で作るもので、他人の影響力に従属するのは、信仰の世界です。信仰は「その宗教」という枠組の中でだけ成り立つもので、その信仰が 必要な人にとってだけ必要なものが「信仰」です。信仰に必要なものは「敬虔」で、しかし、「人を超越したもの」をその中心に置く信仰のパラドックスは、 「人でありたければ、”人を超越した”とされる架空のものの影響力から出なければならない」を、暗黙の必然とすることです。 》 「第三章 背景としての物語」  143-144頁

《 「あはれ」というのは、感動実感が胸に沁み入って来て、「自」と「他」の区別をなくすようなものだと私は思いますが、「あはれ」をそのように規定した時の 「をかし」は、他人事です。 》 「第三章 背景としての物語」 154頁

 午後、某ツアーの内容を知人たちと考える最中に電話で呼び出し、途中退場。五月からの個展のチラシの制作を友だち知人と考える最中に電話で呼び出し、途中退場。 三島駅へ急ぐ。待ち合わせの時間が過ぎても来客現れず。私を呼んだ知人に電話。あたふたと来る。客は一列車早く到着していた。えらい待ちぼうけを食わされる。 帰宅途中、別の知人から時間がありましたら、と呼ばれる。源兵衛川のことを知りたい人と質疑応答。ふう。暗くなって洗濯物を取り込む。人に振り回された一日。 賞味期限切れのレトルトカレーで夕食。

 ネット、うろうろ。

《 三島には「グランドワーク三島」という、活発に活動するNPOがあるのだ。 》 「補助金乞食にいくらカネを渡しても無駄」ネットゲリラ
 http://my.shadowcity.jp/2019/02/post-14702.html

《 作品社 重版情報。小栗虫太郎『【「新青年」版】黒死館殺人事件』4刷。「新青年」連載版を初単行本化! 初出時の挿絵もすべて収録!  二〇〇〇項目に及ぶ語註! 手稿との異同も綿密に調査! “黒死館”の全容解明に挑む! 》 作品社
 https://twitter.com/sakuhinsha/status/1090823107298787329

 4刷とは、驚き。

《 港千尋の『風景論』も『ドゥルーズの21世紀』も郡司ペギオの『天然知性』も全部すごくいい本なんだけど、多忙のあいだに浩瀚な著作がガンガン出たので 後回しにしないといけないの、嬉しい悲鳴である。 》 清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/1090901253368860674

 一瞬焦ってネット検索、『天然知性』。やはり『天然知能』じゃないかい。近々注文予定。

《 無数の死者たちの亡霊である「私」の、厚みに根ざしておられる方々は、けして軽々に啀み合いや諍いが生じない。翻って、軽々に他人を断ずるひとは、 その自己観の〈薄さ〉に原因がある。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1090921792133201921

 このリツイートが興味深い。イプセンの戯曲『幽霊』

《 更に面白いのは、この戯曲は【ゴースト(幽霊)】と訳されているのですが、原題『Gengangere』は【後から返ってくるもの】という意味だと、 ノルウェー人の僕の友人に教えてもらったんです。繰り返し人間を縛って、逃れられないもの―― 》 矢野靖人
 https://twitter.com/YasuhitoYANO/status/1091103500367327232

《 【選挙ウォッチャー】 安倍晋三総理の施政方針演説・全文検証(#1)。 》 note
 https://note.mu/chidaism/n/nd263449aa4df

《 米軍基地反対派リスト作成の辺野古警備会社に公安出身の元警視総監が天下りしていた! 個人情報も公安提供か 》 LITERA
 https://lite-ra.com/2019/01/post-4517.html

『人はなぜ「美しい」がわかるのか』五

 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読み進める。

 今朝はてなブログへの移行サイトを開いたら、簡単に移行できそうなので手動で行う。昨夜まで手動で移行する人が殺到していたようだ。しかしえらく時間がかかる。
 昼前雨が止んだので食料品の買いものへ。昼食後、用事で外出。友だちの車で移動なので途中雨が降り出しても問題なし。それにしてもよく降る。

 ネット、うろうろ。

《 橋本治さん……

  ――――――
  浅田彰「ずっと日本美術を見てきて、自分でもし何でも貰えるとすると、何がいいですか」
  橋本治「私、光悦の《白楽茶碗 銘不二山》が欲しいんです。あと本当は桂離宮が欲しいんですけどね(笑)」
  ――――――
  (新潮2007年8月号「日本美術史を読み直す」より) 》 yano yutaka
 https://twitter.com/ynytk/status/1090299075054850048

《 「工期や費用の提示は困難」であるのに、反対派を逆撫でする目的であるかのように工事そのものを意欲的に進める現政権。最大2.5兆円かけて、 使い物になるかどうかわからない新基地作る(しかも米軍専用施設で日本は共用すらできない)って税金の使い道として普通におかしいだろ。八ッ場ダムの5倍だぞ。 》  津田大介
 https://twitter.com/tsuda/status/1090760790762676224

《  「統計不正の責任をとって大臣がやめろなどの政局になるのは不毛。なんせ国家の基本事業が数十年にわたって不正まみれだったんだから」ってのは正論ではある。

  でも、現実は、「今の執行部はそれを知った。知った上で、不正統計にもとづいて開き直ってる」わけでしょ。

  まず辞めてもらわんと。 》 菅野完事務所
 https://twitter.com/officeSugano/status/1090765186783338496

《 この六年間、もう日本は壊れかけているのにずっとそのことを認めたくない人たちの「正常性バイアス」によってのみ安倍政権は保たれてるのだろう。 マスコミ全体、社会全体での正常性バイアスが、見たくないものから目を逸らし続けさせてきた。もういい加減にしてほしい。 》 あびこ
 https://twitter.com/sukiyapotes/status/1090854440066703360

《 風と共に去りぬの最後、Tomorrow is another dayを高校生に訳させてみたら「とりあえず寝よう」になったって話、爆笑した。センスある。 》 武藤陽生
https://twitter.com/Minstrel_Bird/status/1090450819562975232


1月30日『人はなぜ「美しい」がわかるのか』四

 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読み進める。

《 技術は「時間」を内包して、そして更に「ただの技術」として終わったものは、新しい段階に至って捨てられて行く──石器というのは、それだけのことを私達に 教えてくれるのだと思います。 》 「第二章 なにが「美しい」か」 100頁

《 「ものを作る」とはすなわち、「自分の都合」だけで生きてしまう人間の、「思い込み」という美しからぬ異物を取り去るための行為なのです。「葛藤は、 完成のための研磨剤」かもしれません。 》 「第二章 なにが「美しい」か」 102頁

《 ものを作る人間も「試作」します。そして、「試作」の段階になっても、相変わらず「ためらい」を実践します。ためらいながら、その「ためらい」を克服しつつ、 「作る」の道を進むのが人間です。 》 「第二章 なにが「美しい」か」 103頁

 昼前、源兵衛革中流、下源兵衛橋周辺の茶碗のカケラを拾う。土のう袋が重くなったので終了。東京の方から来た年配のご夫婦をそばの雷井戸へご案内。お昼帰宅。

 ネット、うろうろ。

《 【第52回】なぜこんなに癌になる? |遠い地平、低い視点| 橋本治 》 webちくま
 http://www.webchikuma.jp/articles/-/1555

《 昨日の夕方、担当の編集者から橋本治さんの訃報を聞いた。驚き、そして、思ったよりもずっと悲しかった。橋本さんとは、特に、雑誌「広告批評」の紙面上で 一緒に遊ばせてもらった思い出が大きい。編集長だった天野祐吉さんも島森路子さんも、とうに亡くなってしまった。さよなら、橋本治さん。 》 高橋源一郎
 https://twitter.com/takagengen/status/1090409663584034817

《 幼少期から倉敷の大原美術館に通いつめて得た最大の学びは、同一作品が自らの成長や変化によって別物に変容していくという事実であり、そこでは「既知の作品」 という言説はなりたたないということ。そして、時代々々の美術シーンによる評価基準の変遷によって、かくも簡単に作品がお蔵入りになる事実。》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1090445598266781697

《 こうした鑑賞側の変容による見え方のゆらぎや、美術館の当代的価値に翻弄されるゆらぎについて、はっきりと実感できるために常設展示は極めて重要なのである。 この経験と認識において、美術館はいわゆる「敷居の高い」「価値の定まった」「美の権威」としての場所ではないことが明らかとなる。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1090447379411521536

《 ろう者の写真家が手話で「語った」少数者としての「生存戦略」/ 平尾 勇貴 》 with news
 https://withnews.jp/article/f0190130001qq000000000000000W09810801qq000018686A

《  景気は国民の気分の影響を受けるので、景気がいいと言い張る(正解)
  ↓
  景気がよく見えるように政府機関が株を買い支える(まぁ正解)
  ↓
  景気がよく見えるように統計を改ざんする(不正解)  ←今ここ
  ↓
  本当に景気がいいと誤解して増税する(失敗) 》 ひろゆき  https://twitter.com/hiroyuki_ni/status/1090147361911984128


1月29日『人はなぜ「美しい」がわかるのか』三

 橋本治が死去! 早すぎる。阿久悠久世光彦種村季弘中井英夫半村良、松平修文……気になる先達は70歳前後で亡くなっている。橋本治まで、とは。合掌。

《 【第49回】人が死ぬこと|遠い地平、低い視点| 橋本治 》 webちくま
 http://www.webchikuma.jp/articles/-/1424

 人は亡くなっても作品は遺る。橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』ちくま新書2002年初版を読み進める。

《 モラルのない役人に「法の適用」を任せていたら、そこにはいくらでも不正は起こります。「私は法の手適用のプロだ」と言う人間を野放しにしていたら、 「私の恣意的判断こそが正しい法の適用だ」という錯覚が生まれてしまいます。あきれたことに、日本という国では、「役人の性(さが)は善である」ということに なっているらしくて、そんなとんでもない前提があるからこそ、役人の「不祥事」は後を絶ちません。 》 「第二章 なにが「美しい」か」 64頁

《 「美しい」は、人の利害からはずれている。だから、その認識はなんの役にも立たない。だから、「美しい」は利己的ではなく、「カッコいい」の上にある。 》  「第二章 なにが「美しい」か」 88頁

《 それは、人が常とする「利害9とは別のところに存在しているものです。だから、「美しい」と感じた時、人は「美しい」と感じたものに対して、「距離」を感じる ──当然のことでしょう。そして、「美しい」と感じる時、人は常の思考体系とは別のところに踏み込んでいる。 》 「第二章 なにが「美しい」か」 88頁

《 「醜い」は「見にくい」で、それを「見ていたくない」と思う人間の都合なのです。 》 「第二章 なにが「美しい」か」 90頁

《 「存在」という言葉がややこしかったら、「ありよう」というルビをお振りください。 》 「第二章 なにが「美しい」か」 95頁

 午後十時就寝。
 午前八時過ぎ目覚め起床。睡眠時間がだんだん長くなる。そのうち……。
 昼前、松平修文の未亡人王紅花さんから冊子『夏暦(かれき)』四十九号が届く。

《 夫修文が死んで一年になる。悲しみは癒えない。 》

《 今年か来年、修文の遺作展をやりたいと考えている。 》

 ネット、うろうろ。

《 69才になってしまった。大人は汚ない。70才以上は信じるな! 》 山田正紀
 https://twitter.com/anaryusisu/status/1089716214115459074

 昨日紹介をためらったもの。

《 「綺麗なモノは美しくない」って明言だよな。 》 笹山直規

 16日の「ネット、うろうろ」から。

《 ロジカルな言説をロジカルに読むことも、ロジカルに書く仕方を指導することも簡単である。問題は、ロジカルでない言説を支えている欲動や、 ロジカルな言説の奥にあるロジカルでない欲動が読めなければ、それは恣意的な解釈/指導にすぎなくなること。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1089965171005579264

 『人はなぜ「美しい」がわかるのか』は、その”ロジカルでない欲動”に視線を向けている。深い。短い引用が憚れる。

《  ①技術的な問題(軟弱地盤に基地建てられるのか)
  ②政治的な問題(政府の計画変更申請を玉城知事は拒否すれば止まり、行政訴訟でも確実に勝てるかわからない)
  ③コスト的な問題(当初計画の約10倍・2.5兆円に)

  それぞれが高いハードルでクリアできる見込みもないのに2.5兆円に突き進む。特攻かよ。 》 津田大介
 https://twitter.com/tsuda/status/1089724569986904065

《 歴史的著作が半世紀ぶりに復刊 /外山 恒一 》 週刊読書人
 https://dokushojin.com/article.html?i=4851

《 [書評]『改訂版 全共闘以後』外山恒一 著 /小木田順子 》 WEBRONZA
 https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019011700004.html

 千坂恭二外山恒一、21日の「ネット、うろうろ」でふれている。同士的つながりか。

《 シン左翼!。。。。 》 岸井大輔
 https://twitter.com/kishiikyoukai/status/1089766404797038592