写真・自由

 昨日のセンバツ高校野球常葉菊川の優勝について静岡新聞朝刊の囲み記事「大自在」。
「正直言って、ここまでやってくれると思っていた人は少なかっただろう。」
 同感。私も予想外。

 毎日新聞昨夕刊、囲み記事「ダブルクリック」は文化人類学者・渡辺靖の「自由を保障する」。
アメリカ史に必ず登場する。とある名家の娘は、地方の州立大学の卒業生で、褐色の肌をした、労働者階級のカソリック教徒の男性と結婚した。かつて海外の反政府運動に加担し、投獄された経験もある。しかし、彼の出自や経歴は彼女の家族では全く問題とされなかった。」
 こんな例を他にも紹介している。
「どちらも『保守』の流れを汲む家族である。しかし、そんなラベリングを内破してゆくような、開かれた自由がそこにはあった。」
 羨ましい社会だ。
「少なくとも『保守』や『リベラル』を教条主義にせしめてしまう社会よりは、よほど魅力的だ。」
 同感同感。隣には「『にっぽん・サバイバル』を刊行 姜尚中東大教授」。
保守主義には、『何を伝統と見なすか』を率直に議論する自由が必要なはず。その意味で今、どんな意見でも表明できる場があることの大切さを改めて感じました。」
 自由の保障。常に心しておかないと、異見の排除、言論の圧殺、自由の死へ追い込まれてしまう。

 昨夜、NHK教育テレビの「趣味悠々」、デジタルカメラで風景写真を撮る新番組に私好みの女性。いとうあいこ。知らなかった。けっこう人気のある人だ。彼女と写真術、一石二鳥だ。

 知人との電話。彼はこの前の朝日新聞日曜版のエッフェル塔を設計したエッフェルのエピソードが気に入ったと語ったが、私はその隣の仙台市の巨大仏の写真に写っていた高圧線鉄塔に惹かれたと加える。

 ブックオフ長泉店で二冊。ジャック・ロンドン「海の狼」トパーズプレス1996年初版、内田百ケン「王様の背中」福武文庫1994年初版、計210円。後者は谷中安規木版画挿絵が愉しい。序(はしがき)と「おくがき」は百間になっている。
 石堂淑郎の解説が説得力ある。
「百ケン文章の特色はメッセージ性の全き欠如とデテールの完璧にあり、それが平成の脱イデオロギー感覚にフィットするのである。」
「百ケンの文章は究極の旦那芸であるというのが、筆者の目下の結論である。」