一休みの雨

 世間ではきょう明日は連休の中休みとか。私は仕事。雨の仕事始め。
 昨日買った松沢呉一「魔羅の肖像」新潮OH!文庫は副題が「セックスにまつわるウワサ話。大検証!」。 500頁近いてんこ盛りの真面目な内容。「17章」にはこんな一節。
「実は、世の中の多くの人が、セックスそのものをそれほど重大なこととは思っていない、あるいは思っていながら目を逸らしたいようなのだ。それが、人生を大きく左右したり、病気の直接の原因や間接的遠因になったり、性の抑圧が他者に対してさえ悪影響を及ぼしかねないにもかかわらず、今でもセックスはいかがわしい行為であり、セックスを楽しむことがみだらな行為であるとの観念が社会に根深くある。」
 同感。私のウェブサイトでは3S=性・政治・宗教にはなるべく触れないようにしている。日本のタブーみたいなものだ。政治・宗教について発言すると、容赦ない中傷誹謗が来るし、性について語ると、軽蔑の眼差しをこっぴどく受ける。この3Sはじつにビミョー。

 「文庫版あとがき」にはこんなくだり。
「このように、世間様の需要と一致しないところに興味を抱いて精魂込めて原稿を書いたところで、単行本にならないどころか、印刷もされずに消えていくのが当然の帰結である。」
 なんかしみじみとしてしまう。雨だねえ。

 そんな湿気た気分を一掃させるのが島田荘司の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の文章。