昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。丸谷才一「挨拶はたいへんだ」朝日文庫2004年初版、西井一夫・文/平嶋彰彦・写真「新編『昭和二十年』東京地図」ちくま文庫1998年5刷、計210円。
後者を見読。息詰まる文章ならぬ息の詰まる文章だ。写真も固いが文章も硬い。結びの文。
「戦前の日本にもらい患者という『ユダヤ人』はいたのであり、アウシュビッツは日本国内にも存在したのである。」
「文庫版へのあとがき」で西井一夫は書いている。
「私たちは平板化した二次元の地図を、時間を含んだ四次元へと変換するために、街を歩いたが、同じ頃『路上観察』と称する遊学が束の間の話題となり、またバブルによる地上げで激変する街の相貌を映して『東京論』がかまびすしかった。私たちは観察でも都市改造論でもないものでありたかった。」
に、その姿勢が現れている。ここには笑い(苦笑であれ)がない。肩がこる。
小学生の女子二人と男子一人の三人が味戸ケイコさんの絵を観に来る。テーブルを囲んで書いている。
「『よるくる鳥』と『桜のまど』が好きです。1回目なので、また来たいです。」
三人がそれぞれ絵本原画の絵も写して描いている。
「P.S. 無料なのにこんなステキな絵が見れて、とてつもなくHAPPYです。おうえんしてるのでガンバッて下さい」
なんとまあ。泣き笑いというか。
先だって、お土産を買ってゆかれた方が、ブログ MY WEB DIARY 26日で内野まゆみさんの小粋な掌品を画像で紹介している。快くしなやかな描線が心をゆるやかにほぐして微笑を誘う。