いい夫婦・ピアノ

 きょうはいい夫婦の日とか。塚本邦雄の名歌。

  金婚は死後めぐり来む朴の花絶唱のごと蘂そそりたち

 塚本邦雄の短歌で十一月になると口をついて出る大好きな一首を。

  ほほゑみに肖てはるかなれ霜月の火事のなかなるピアノ一台

 ピアノといえば彼のこの歌が有名だ。

  革命歌作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ

 ピアノ続きで。

  少しずつピアノが腐乱春の家  西川徹郎

 先だってフジ子・ヘミングのピアノ演奏会が静岡市であった。

  老嬢のピアノが鳴ってすはう咲く  三橋鷹女

 ピアノ・ソナタではショパンが特に好き。

  ショパン弾き了へたるままの露万朶  中村草田男

 詩歌には読めない漢字が頻出する。上記の「肖て」は若い頃読めなかった。「にて」と読む。今回読めなかった漢字は「露万朶」。「つゆ・ばんだ」と読む。「万朶=ばんだ」とは「(花のついた)多くの枝」の意だとか。知らなかった。

  ビーチパラソルヲピアノノウヘニオケ  皆吉司

 きょうも朝から賑やか。駐車スペースの確保に一苦労。