原田憲雄「日本漢詩選」人文書院1974年初刊、帯。「わが国で最初に編まれた漢詩集懐風藻は万葉集に先んじている。爾来、数十年前まで、漢詩は日本文学の亜流ではなく正鵠を奏でつづけてきた。」
川口久雄「平安朝の漢文学」吉川弘文館1981年初刊、帯。「平安朝の漢文学は本来の文学史的地位を回復しなければならない。」
丸谷才一「日本文学史早わかり」講談社1978年初刊。「漢詩は前代において俳諧以上に支配的な形式で、まして小説などまったく問題にならなかった。」前代とは丸谷定義による「七部集時代(宮廷文化の普及期)」で、応仁の乱から日露戦争までの長い範囲を指す。
「前代の格式の高い文学者は、井原西鶴ではなく荻生徂徠、為永春水ではなく頼山陽なのである。ところが漢詩といふ文学形式の命脈は明治末年ないし大正初年に盡き、以後、文学者とはほとんど小説家を意味するやうになつた。」
「明治文学全集 62 明治漢詩文集」筑摩書房1983年初刊、月報、木下彪「今日私が如何に口を極めて明治漢詩の盛大さを説いても、恐らく人は信じないであらう。」
ブックオフ長泉店で二冊。鮎川哲也「早春に死す」光文社文庫2007年初版、穂村弘×東直子「回転ドアは、順番に」ちくま文庫2007年初版、計210円。