きょうも多くの方がご来館。ありがたいこと。
夏石番矢は俳人。第二句集「メトロポリティック」牧羊社1985年には先行する俳句の影を感じる句が、門外漢の私にも散見される。
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一行の詩が処刑台のやうに響く朝だ
身をそらす虹の
絶巓
処刑台 高柳重信
春しぐれ一行の詩はどこで絶つか 加藤郁乎
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摩天楼より瞳を映す星を撃て
摩天楼より新緑がパセリほど 鷹羽狩行
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強引に付会。中井英夫(小説「黒鳥譚」)、寺山修司(劇団「天井桟敷」)。
満月に黒鳥の歌が書かれている
義手・義足・義眼を抛るParadis(てんじゃうさじき)
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切株は黴を戴き雷を待つ
切株やあるくぎんなんぎんのよる 加藤郁乎
この句は「歩く銀杏銀の夜」と「ある苦吟難吟の夜」を掛けてある。
展覧会、無事、盛況裡に終了。万歳。