河童

 雨風が強いのでバスで来る。ラクチン。昼前には荒れ模様。でも昼過ぎには止む。

 知人の探している水木しげる『河童』(少年サンデー増刊、小学館1966年)は、ちくま文庫『幻想世界への旅』1986年に再録されていた。『河童』は『忍法秘話 15』青林堂1965年に発表され、『少年サンデー増刊』に描き直しが掲載された。前者では時代劇、後者では現代劇になっている。とりあえず本は買っておくものだ、とつくづく思う。いつかどこかで役に立つ。松岡正剛『遊学 I 』中公文庫2003年初版、「人工言語のための条理学 ─三浦梅園」のこんなくだり。

≪アルンハイムの地所のポオ、小遊星のシェーアバルト、火星のブラッドベリ、見えない都市のカルヴィーノも、その一族だ。かれらは旅のイメージを、だれもがそれを読んだらきっと行ってみたくなるような「時の旅」にした名手たちである。≫

 ここに挙げられた本は、未読もあるけど持っている。アルンハイムもそうだったけど、水木しげる『河童』を初めて読んだとき、河童の住まいがどこかにあるはずだ、と探索の旅に出たくなって困った。三浦梅園だと、山田慶兒『黒い言葉の空間―三浦梅園の自然哲学』中央公論社1988年を買ってある。なんかわからないけど、面白そうだからという理由で買った。松岡正剛を読まなければ、なかなか開くことのない本だ。今読み始めたリーアン・アイスラー『聖杯と剣 われらの歴史、われらの未来』法政大学出版局1991年初版は、やはり面白そうなので買ってあったが、松岡正剛『フラジャイル』で触れられていたから読み始めた。こんな機会でもなければ、いつ読むんだか。

 ネットの拾いもの。

≪コレクターはエピソードが好きですから

 歴史となったエピソードにまつわる画に大金を払う。≫