何気ない絵

 企画展中の牧村慶子さん、じつに好評。誰もが「何気ない絵ですね、それがいい」といった感想を述べられる。案内葉書に使った1981年の絵、吾妻ひでおの少女を連想させる。丸顔で首をちょこっとかしげ、両手を祈るようなかたちに合わせている。絵柄の時代が重なる。共時性というべきか。けれども、眼・瞳の描き方がまるで違う。そこが分かれ目。それにしても、牧村さんの少女は無垢で上品だ。絶滅危惧種だ。いや、すでに絶滅か。

《 いやいや、こんなウブそうな女に限って、その正体、実は毒婦なんてのもよくある話で。心を許しちゃなりませんよ、旦那。》

 てな忠告もあるしなあ。まあ、それは吾妻ひでおの美少女には言えることじゃ。

 ヴァルター・ベンヤミン「複製技術の時代における芸術」(『ベンヤミンの仕事2』)岩波文庫1994年2刷を読んだ。短い論文だけれど、これは手強い。再読だ。

 今朝、とある問い合わせの電話。緊急でない電話は、私が起きてからしにしてほしい……私の起床が遅いのか。私と同い歳の方のブログ。

《 電話連絡の際に「送別会」を「告別式」と聞き間違へて、ないしは、「送別会」を「告別式」と解釈した結果、私が死んだと思つて、黒ネクタイ姿で、しかも「御霊前」と書かれた香奠まで持つてきたのである。》

 ネットの見聞。

《 終戦は1945年ですから2012年の今年は終戦から67年経つことになります。1944年から徴兵が17歳からになったので、終戦直前に徴兵された最年少は84歳です。さて、ここで。「最近の若者はなっとらん!徴兵制にして鍛え直せ!」と喚く方々は何歳なんでしょうか。》