成田雲竹・高橋竹山

 午前中は源兵衛川の月例清掃。強い陽射しに冷たい水が気持ちいい。細身の女性が佇んでいる。知人が連れていたカメラマンとモデルだった。

 午後、ブックオフ長泉店で二冊。矢本大雪・編『千空歳時記』青森県文芸協会出版部2002年初版、小野正嗣『にぎやかな湾に背負わされた船』朝日文庫2005年初版、計210円。前者は津軽俳人成田千空の五句集を編集したもの。

 『津軽民謡の神髄 成田雲竹』LPレコード二枚組キャニオン1978年を聴いた。三味線、尺八の伴奏は高橋竹山。解説から。

《 このアルバムは雲竹、竹山の絶頂期(昭和三十六年〜昭和四十年)に収録されたもので、津軽民謡の神髄を伝える貴重な秘蔵版レコードである。 》 結城泰彦

《 はじめに唄があった。三味線はそれを越えようとして活力を得た。その基本的な関係が成田・高橋両師の間にある。それらの点をこのレコードでじっくり聞きこんでほしいと思う。 》 篠崎淳之介

 昔聴いた時と同じ印象。正調津軽民謡なのだろう。昭和四十四年には日本民謡協会からはじめて民謡名人位を授与されたのだから。しかし、先日話題の藤井ケン子らを聴いてしまうと、私の耳には彼の端正な唄いぶりが物足りなく感じてしまう。ちょうど、ジャズがスイングからモダンへ変化したように。そして耳に残るのは伴奏の高橋竹山の三味線演奏。ちょうど、ポルトガルのファドの歌手よりも伴奏のキターラ(ポルトガル・ギター)のほうが耳に残るように。歌い方には時代性が刻印されているのに、伴奏は時代性を免れているのが面白い。

《  窓下にむせぶギターラ、ギターラは墓穴に似し黒き洞(あな)もち  塚本邦雄  》

 高橋竹山津軽三味線 高橋竹山』CBS・ソニー1978年を聴く。1973年渋谷ジァンジァンでのライヴ録音。ライヴなので語り、観客の笑いも。鮮明な音だ。他の奏者にはない、たゆたうような、しなやかなグルーヴ感がある。竹山は言う。

《 「津軽三味線は、けっして叩くものにあらず、あくまで奏でるものなり」 》

 ネットの見聞。

《 珍奇な形態や生態を持つ菌の日本一を決める、「日本珍菌賞」が発表されました!「第一回日本珍菌賞」は、やはり!エニグマトマイセス Aenigmatomyces の出川先生です! 日本一の「珍菌」に選ばれたのは、「ナゾの菌」という意味の名前を持つ、かつて正体不明だったカビでした。その驚きの生態が明らかに。 》