雑誌『終末から』第九号・終刊号筑摩書房1974年。表紙絵は味戸ケイコさん。椹木野衣が『日本美術全集 第19巻 戦後〜一九九五 拡張する戦後美術』小学館2015年に収録した作品、ということは既に何度も書いた。17日に引用した 大岡信と椹木野衣の文を再掲。
《 この空間に入ることは、われわれの存在が、「意識の底辺まで堀りさげられてゆく過程」を体験することであり、その意味で この空間は、深層心理的・魔術的・象徴的な世界へとつらなる空間系列に属する。それは大岡信の表現をかりれば「すべての色彩を 成り立たせる根源」であるとともに、「内部の闇みたいなものと繋がっている」原質的な闇である。 》 市川浩『現代芸術の地平』 岩波書店1985年149頁
《 何もここまで、というほど緻密に手を入れられた画面は、いくら見続けても新たな発見が尽きないほどだ。そしてこの漆黒の闇。 その底はいったいどこへ続いているのだろう。 》 椹木野衣『日本美術全集 第19巻』「味戸ケイコ」解説
去年の7月15日の日録を再読。
http://d.hatena.ne.jp/k-bijutukan/20160715
《 カラヴァッジョを開祖とする闇の表現は、味戸ケイコさんによって新たな相貌を魅せた、と言えまいか。漆黒の闇のその先、 ではなく、その底はいったいどこへ。これはコワイ。こんな想像をかきたてる漆黒の描写は、意外と見当たらない気がする。 》
《 人物のみが描かれるため、背景の闇は効果的だ。少女には強い光が当たっているが、その周囲には拡散していない。フェルメールは ここでは、画面全体に満ちる光を描写せず、レオナルドのように人物の姿のみを浮かび上がらせている。 この絵が「北方のモナリザ」 と呼ばれる所以である。 》 宮下規久朗『闇の美術史 カラヴァッジョの水脈』岩波書店2016年
上記はフェルメール『真珠の耳飾りのある少女』についての論述。その時にはまだクラーナハの絵を実見していなかった。いたのだよ、 フェルメール、カラヴァッジョの先達が、クラーナハが。そしてクラーナハは「北方の画家」。カラヴァッジョは闇を描いた、あるいは 発見した。クラーナハは漆黒または暗黒を描いた。それは闇の空間でもあり、闇の壁でもある。味戸ケイコさんの場合も、同じだ。
カラヴァッジョに始まる闇の水脈に対して、クラーナハに始まる漆黒または暗黒の回廊は、味戸ケイコさんの絵まで伸びている。 味戸さんもまた北方(北海道)の画家。五百年後の際会あるいは照応。と、誇大妄想を拡げる。牽強付会は楽しい。
発想は飛んで。闇は暗黒だけだろうか。ホワイトアウトというように、何も見えない状態を闇と呼んでもよいのでは。日本の絵画では 長谷川等伯『松林図屏風』。下地の白は、漆黒と同意義ではあるまいか。ポジ、ネガのように白黒を反転させればどうだろう。 現役では例えば坂部隆芳さんの絵。茶系統の単色の濃淡の絵だが、背景を私は土壁のようなものと解釈していた。
http://web.thn.jp/kbi/sakabe.htm
坂部隆芳さんの『山王曼荼羅図』150×150cm,2001年について書いた拙文を再読し、絵の白い背景もまた暗黒の反転ではないか、 と今にして思う。
http://web.thn.jp/kbi/zakki1.htm
上記拙文での静寂と静謐の違いを、また闇に絡めて考える。
今朝は寒かった。-4.9℃。昼も寒い。最高気温8.5℃。でも蒲団はぬくぬく。午後も蒲団に入る。友だちからの電話で起こされる。
ネットの拾いもの。
《 googleで「askew」と検索すると… 》 一目置かれる雑学
https://twitter.com/trivia_hour/status/823458661271879680
《 ブライアンメイのジョーク笑った笑 》 Yuya
https://twitter.com/SomebodyYuya/status/823479307381051393
《 トランプさんは「自由貿易の重要性をトランプ氏に訴えかける」バカと話す時間の余裕はない。 》
《 電話で済ませろよ、トランプは忙しいんだよ。 》
《 安倍「あー...」
トランプ「うるさい、だまれ」 》
《 浜辺で亀を囲んでなじる子供達がいました
浦島太郎「亀をいじめるのはやめろ!」
子供達「いじめてません!150万円おごってと頼んでただけです!」
浦島太郎「なんだ150万円おごってとせがんでいるだけか。いじめと認定できないな」
めでたしめでたし 》 長井ずみ
https://twitter.com/nameriizumi/status/823325831611052032
《 スカートの長さ 》 一目置かれる雑学
https://twitter.com/trivia_hour/status/823700267149312001
《 (冬物クリアランス中のデパート群に必死で背を向ける) 》