『文化のなかの野生』2

 中島智(なかしま・さとし)『文化のなかの野生 《芸術人類学講義》』現代思潮社2000年初版を少し読み進めた。

《 私たちは物事をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままに物事を見ているわけですから、こうした意識の 変容によって世界も変容していくものです。そして世界の究極のリアリティを生きるために、シャーマンたちはそれぞれの 伝統にそった訓練を自らに課すのです。たとえば、苦行というものを典型的なものとしてあげることができます。これは自己 (自己を成立させている関係性)を捨て、自らが意識しないほどの絶対的な孤独において「外もしくは他者」のコードと出会い 合一化する意志によるものですが、結果的にはいくつかの別の関係性そのものに移行しながら関係性そのものと化すことで孤独な 「個」を超脱するものとなるものです。
  このリアリティの強化というのは固定化のことではなく、いわば暗黙知の拡大と呼びうるものです。 》 122-123頁

 安藤信哉の晩年の絵を思う。

《 自らの心深く覚えた感動をそのままに、手が絵筆を持ち、絵筆が自在に動いてゆき、それが一枚の絵に成ってゆく。それは、 対象把握、対象描写に習熟し、常に鍛錬と内省を怠らない氏をして初めて可能ならしめた「観自在」(解釈に固定される手前の 瑞々しい可能性の状態で対象を丸ごと把握し、自らの生の律動にそって再構成する)な絵でした。 》
 http://web.thn.jp/kbi/ando10.htm

《 宗教でも心理学でも、自我より賢明な内なる智恵に気づきながら、それを捕まえようとしておりますが、この「暗黙知」や 「内なる智恵」に対して左脳的であることが賢明さであると考えがちな一般の人びとの反応は、いまだ冷ややかなものです。 》  123頁

《 神話というものは以前お話しましたように、儀礼と同様に一つの象徴大系でありまして、私たちが普段ものごとを分別 しているようなタイプの理知性から別の思考形態に転位させる力をもっています。それは人間も含めた世界の諸現象が解き難く 有機的に関連していることを表明するものでありまして、その思考の中で自己と他己を相対化させず合一した状態が絶対的に 肯定されているのです。これは自己が消滅するのではありません。自己の在り方が変容し、開かれた関係性にすりかわるのです。 これはシャーマンの立場と深く関連しているものですが、これはさらに言えばいわゆる「近代的自我」と呼ばれる偏狭で保守的な 概念とは対称的な立場とも言えます。 》 134頁

 午前中は三島市立徳倉小学校の児童たち九十人ほどを仲間と源兵衛川へ案内。最下流部ではいきもの探し。みんなタモを手に 夢中になって川の中を動き回る。びしょ濡れの子も。放置プレイね。お昼に帰宅。

 ネット、いろいろ。

《 特定秘密保護法、拡大盗聴法、集団的自衛権……安倍政権下で多くの反対を無視して強行採決した法案は多々あるが、 今回の共謀罪はわけが違う。これまでは反対意見が公然と認められていたが、共謀罪はその「反対」すら 前もって排除できるという法律だ。性格が全く違う、ジョーカーみたいな法なのだ。 》 北丸雄二
 https://twitter.com/quitamarco/status/874490409170358272

《 安倍支持の若い人達にもそろそろ気付いて欲しい。今の異常な日本は長年築き上げていた国際的信用をなし崩しに 低下させているんだよ。海外からは政治の腐敗と極右化で気持ち悪い国と認識されつつある。 みんなが気持ち悪いと思う北朝鮮みたいな感じだよ。しゃれにならない。こんな政権では未来がない。 》 hiroshi ono
 https://twitter.com/hiroshimilano/status/874513486864404481

《 大事な時にTVで国会中継しないって恒例になったの? 》 大野左紀子
 https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/874878794095624192

《 女「きれいな星空!」
  男「知ってるかい?今僕らが見てる星の光は何億年も前のものなんだ」
  女「ええ、どういうこと?」
  男「光の速さが…」
  女「いやベテルギウスは640光年、リゲルは850光年。一等星の光なんてどれも歴史時代だぞ。何億光年の銀河が肉眼で見えるとか どんな目してんだお前」 》 シュナムル
 https://twitter.com/chounamoul/status/874628601471049729