『日本の歴史21 近代国家の出発』

 色川大吉『日本の歴史21 近代国家の出発』中央公論社1980年45刷を少し読んだ。明治時代に伝染病がこれほど蔓延していたとは。

《 明治十九年(一八八六)、この一年間に、わずか四種の伝染病だけで、日本はじつに十四万六千人以上の尊い人命を失った計算になる。人民にしてみれば 日露戦争をひとつやったほどの深い悲しみ、大きな惨害であった。(中略)人民の生命保全費として、軍艦一隻をつくるほどの国費を出しただろうか。いや、 けっしてそんな金は出さなかった。それどころか、伝染病の負担は地方財政におしつけ、軍艦の大拡張と鹿鳴館の舞踏会に憂さをはらした。(中略)このとき 総理大臣の伊藤博文は、石炭酸くさい道を日本橋の待合にかよい、この年ようやく十六歳で水揚げされた葭町(よしちょう)の芸妓・奴(のちの川上貞奴)を 寵愛して、粋なところをみせていた。 》 99-100頁

《 そのころ、かれらの頭のなかを占めていたものは、コレラなどではなく、次のような「天下国家の大事」だったであろう。
  どうしたら民権家などにおびやかされない天皇統治の憲法の大綱をつくりうるか。どうしたら大陸作戦にまにあう軍備を一日も早くつくりうるか。どうしたら 条約改正の交渉を急いでまとめられるか。どうしたら自分に反感をしめしている政府部内のあれこれの派閥を懐柔できるか。また、新築まっさいちゅうの宮殿の造営、 皇室財産の大拡張を、どうしたら遅滞なくやりぬけるか、というようなことがらであったろう。 》 101頁

 こりゃ、明治の話だよなあ。日米地位協定改定の交渉なんか政権の話題にもならん。

《 その後も、明治二十三年、明治二十六年、二十八年とコレラ天然痘などは猛威をふるい、明治十年代、二十年代のわずか二十年間に八十万人をこえる死者を だすにいたった。(中略)これは明治時代四十四年間におこなわれた五回の対外出兵、二度の大戦争の死者の総計よりもはるかに大きかったのである。 》  101-102頁

 『BRUTUS』マガジンハウスの特集「国宝、国宝。」、「一人称の美術」の項から「おかざき真里×工芸」。

《 「胎蔵界と対をなす金剛界は、全体がグリッドで区切られていますよね。それは唐の長安や、日本なら平安京などの都市と同じ構造です。要するに当時の 中国の人々の世界認識は、あのようなグリッドになっていて、それが都市や曼荼羅として表現されたのではないとか、と。空海と恵果和尚とがそれを合わせていく 過程を、いずれ『阿・吽(あ・うん)』の中で描きたいと思っています」 94頁

 曼荼羅に中国の都市を重ねることは考えつかなかった。なお、”表現されたのではないとか”は、”か”を加えて”表現されたのではないかとか”かな。 おかざき真里は漫画家。

 昨日に続いて雨。朝の八時九時十一時に花火の賑やかな音。どこの秋祭りだろう。昨日はお隣清水町の神社で秋祭り。
 午後、先だって知り合ったギネア出身の若い男性を思い出し、ギネアの名門バンドBEMBEYA JAZZのLPレコード『 Wa Kele 』1989年を久しぶりに聴く。
 https://www.discogs.com/Bembeya-Jazz-W%C3%A2-K%C3%A9l%C3%AA/master/817820
 鬱陶しい雨を忘れさせる演奏だ。B面最後の哀愁漂う「Den Ye Kassila」に、やはり最も惹かれる。レコードを収め、ついでにLPレコードを漁ってしまう。 『YEN卒業記念アルバム』なんてのが出てきた。今はない近くの古本屋で三百円だったかな、安かったので買ったもの。これは一度も聴いていないはずだ。
 http://hiptankrecords.com/?pid=106892110

 ネット、いろいろ。

《 『震美術論』- 静岡県、三島にあった知る人ぞ知るK美術館の館長さん。新刊が出るたび丁寧なお便りが届く。僕はK美術館で初めて味戸ケイコの原画の凄さを 知った。『震美術論』についても4回に分けてブログで書いて下さった。ありがとうございます。http://d.hatena.ne.jp/k-bijutukan/touch/20170922/p1#p1 … 》  椹木 野衣
 https://twitter.com/noieu/status/919016508797284352

 固定されたツイート。震える。
 http://d.hatena.ne.jp/k-bijutukan/20170919

《 演出を手がける同局の藤井健太郎氏は、自身のツイッターで「年末特番で、たぶん業界初の漫画原作バラエティ『カイジ』やります! 最初に企画書を出したのはなんと2008年!遂に!」と念願がかなったことを歓喜。 》 ORICON NEWS
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171013-00000366-oric-ent

 1998年10月〜11月、平木浮世絵美術館「小原古邨の世界 西洋で愛された花鳥画」展。2002年2月〜3月、K美術館「小原古邨と周辺」展。2007年、季刊『版画芸術』 巻頭特集「知られざる木版画絵師 小原古邨/小林かいち」。

《 地域の素材・資源を単にそのまま出すのではなく、投資をともなう高次元の技術で加工し、さらに優れた調理技術をプラスして「料理」へと引き上げる。 そして、それを店主の個性と経営力の組み合わせで事業として成立させる。これが地域食材の高い付加価値を生み出す原則です。 》 木下斉
 http://president.jp/articles/-/23319?page=2

《 まちが変わっていくためには、時代遅れの大規模な施設開発などよりも、小さいけれども尖った1つの店が成長していくことのほうが、 よっぽど大切なのだとわかります。 》 木下斉
 http://president.jp/articles/-/23319?page=4

《 自らのローカリティに無自覚となった abs-traction(観念)は、たやすく普遍主義に陥り、ローカル(tract)なものをローカルであるという理由だけで 軽視する過ちを冒しやすい。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/918957777409544193

《 現代美術において自律性の問題は単純ではない。作品が脱政治的であろうと非政治的であろうとそうあること自体に政治的態度が読み込まれるし、 政治問題を扱っていればそれを通して作品性が問われる。どんな場合も政治性と作品性は絡み合っている。純粋に審美的位相に見えるものも美の政治を巡っている。  》 大野左紀子
 https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/919021054537764864

《 「だめだ。米軍が謝罪に来なさい」 沖縄県、頻発する事故に我慢の限界 》 沖縄タイムス+プラス
 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/155606

《 前川喜平さんインタビュー「衆院選は加計森友隠しの安倍政権に審判下すチャンス」  》 BLOGOS
 http://blogos.com/article/252253/

《 寝坊したら「何故餌を遅れたのか」裁判が腹の上で開廷されてて正直焦ってる。 》 変顔リュックと愉快な仲間達
 http://rikkusora.com/rikku/saibancat

《 北朝鮮が危ないならなぜ1か月も衆院を空っぽにするの? 》