『日本の歴史22 大日本帝国の試練』五

 隅谷三喜男『日本の歴史22 大日本帝国の試練』中央公論社1976年38刷を少し読んだ。

《 ところで、国民の底流にあった非戦論や厭戦気分は、『平民新聞』その他の反戦論とは結びつかずに、戦争熱のほうにさらわれてしまったのである。反戦論は 理論と情熱ばかりが先走って、国民から遊離していった。戦争が進むにつれて多大の軍事的消耗が続いたから、軍需工場だけは活気があったが、経済界は全体としては 不景気で、物価高も加わって国民の生活を苦しくしていた。反戦論には絶好の条件であったが、それもあいつぐ戦勝を告げる号外の鈴の音にかき消されてしまった。 労働組合らしい組合もなく、大衆組織というべきものがまったくといってよいほどないなかで、社会主義運動への弾圧が強くなればなるほど、平民社の人たちなどの なかには悲壮な志士仁人的意識や、この世の罪悪にたいして十字架を負うのだ、というような考えばかりが強くなって、運動としては国民のなかに根をおろすことが できなかった。 》 「反戦の闘い」 301-302頁

《 ところで、日露戦争下の反戦論には、一つの重要な論点が脱落していた。満州および韓国の運命について、まったくといってよいほど関心を示していないこと である。 》 「反戦の闘い」 302頁

 雨の中、朝から人の手を借りて東奔西走。それぞれの現場で仕事をしっかりこなしている人たちの姿。気持ち良い。昼過ぎ煩雑な用が何とか片付く。遅い昼食。 コーヒーを淹れる。だけでは物足りず、少々高価な緑茶を味わう。うーん、清澄で深い。な、ところへ予想されたトラブル。解決。日が暮れる。

 ネット、いろいろ。

《 NHKスペシャルの選挙番組。各党の代表が集まっているが全員男性。司会も男性で近江アナだけが女性。女性はアシスタントという位置づけ。 ここに日本の政治の縮図がある。 》 原武史
 https://twitter.com/haratetchan/status/922420464571465728

《 排除した方に希望があったのだろうか 》 鯨統一郎
 https://twitter.com/kujira1016/status/923124368472907776