『弁護側の証人』

 一昨日入手した小泉喜美子『弁護側の証人』集英社文庫2009年7刷帯付、裏表紙側の帯の推薦文「各氏絶賛」。

  我孫子武丸  今だからこそ、広く読まれて欲しい一冊。
  綾辻行人   『弁護側の証人』を読む、それはすなわち、
           極上の魔法を体験するということである。
  宇江佐真里   これはミステリーという名の騙し絵である。
  千街晶之   騙しのテクニックのルーツがここにある。
  貫井徳郎   驚きのどんでん返し! 絶対騙されるぞ。
  法月綸太郎   ダメ男の王子様と、戦うシンデレラ。
            起死回生の逆転愛が待ち受ける必読の名作。

 表面の帯は「道尾秀介氏 大絶賛!!」。彼の解説から。

《 『弁護側の証人』は、僕にとって秘密の場所だった。ある人に勧められて一読して以来、誰にも教えたくない一冊だった。 》

 集英社文庫旧版、1981年4刷の青木雨彦の解説から。

《 小泉さんの『弁護側の証人』は、昭和三十八年二月に、文藝春秋新社の「ポケット文春」の一冊として、書き下ろしの形で出版された。女流作家・小泉喜美子の 処女長編である。 》

《 しかし、小泉さんのこの『弁護側の証人』は、いま読んでも、少しも古くない。いや、むしろ新しい作品のように、わたしには思える。ワインにヴィンテージが 大切なように、ミステリにもヴィンテージが大切なのだ。 》

 作者冥利に尽きる、な。生前手紙を交わし、電話で話し、お目にかかったのは銀座の某パーティ会場で挨拶した時だけ。小泉さんは上記青木雨彦と銀座の宵闇へ 消えていった。大人だなあ、と感じ入った。あれから三十余年。小泉さんから恵まれた本と手紙は私のお宝。
 ウィキペディアによると未所持の本は、『弁護側の証人』文藝春秋新社1963年と『太陽ぎらい』出版芸術社2005年9月。翻訳本ではジェイムズ・マクルーア 『ならず者の鷲』早川書房 1979年とルース・レンデル『絵に描いた悪魔』角川文庫1986年。ま、これらは見送り。

 寒いし風強いし、風に吹かれてじゃなく、風に吹き飛ばされて、だ。こたつでまったり。この旬日オツムは過熱気味、体に変調をきたしていた。クールダウン、 こたつでまったり。

 ネット、いろいろ。

《 幾度かTLに「言葉の限界が世界の限界だ」と誰かのセリフが引用されていたけれど、「言葉の限界」の先に身を置くのが「遊び」なのである。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/963287558212825088

《 カメラの登場やX線の発見がセザンヌピカソが空間の探求を行う手助けになったように、21世紀のサイエンスやテクノロジーも我々に新たな時空間を 与えているはず。しかし、近年はテクノロジーが変容させた時空間の探求ではなくテクノロジーを変わった使い方するだけの人が多い気がする。 》 上妻世海
 https://twitter.com/skkzm/status/963070972860424197

《 時間の形式、その制作と方法 》 上妻世海
 http://ekrits.jp/2017/08/2353/

《 マジで最近の出来事なのだが
  よく行くBARに20代の新人バーテンダーが入って来たその日に忙しくてハイボール用のソーダ水が切れちまったみたいで、何気なくぼーっと見てたらオーナーが「悪い。酒屋が時間かかるって言ってるから初日で申し訳ないけど近くのコンビニで炭酸買ってきてくれ」って金渡してた
  5分後大量の単三電池持ってきた彼を見たとき笑いより涙が出てきた 》