閑人亭日録

『絵は語り始めるだろうか』をほんの少し

 佐藤康宏『絵は語り始めるだろうか  日本美術史を創る』羽鳥書店2018年初版をちょっと読む。冒頭の「絵は語り始めるだろうか」から歯に衣を着せない表現、 何とも挑発的な文章に驚く。痛快。これは面白い。

《 運悪くたまたま読んだ翻訳が、ゴンブリッチの『イメージと目』(白石和也訳、玉川大学出版部、一九九一年)のように全ページ誤訳だらけという とんでもない代物で、混濁した記憶しか残さないことだってあり得る。 》 7頁

《 記号論に学んでその方法を消費し尽くす研究、さらにはそれを含め既成の方法すべてを批判して別のイデオロギーと方法を求める動きが、日本美術史の分野で もっと現れてもいい。 》 12頁

《 美しさを称えるありふれた賞賛の言葉をつぶやくのでなく、私たちが持てる限りの技巧を駆使し、身体のすべての感覚を解放して絵画と交わった果てに、 絵は何かを語り始めるだろうか。過去の日本絵画は、現代に生きる人間にとってそういう関係を結ぶに足る相手なのか。 》 13頁

 朝、三石神社横の源兵衛川の茶碗のカケラなどを拾う。商店が休みと開店前をねらって早めに動く。一時間ほどで作業終了。午前十時過ぎ帰宅。一汗。パンツ一枚に。 コーヒーが美味い。そこへメール。遣り取り。

《  川掃除から帰宅。/パンツ一枚で~す。 》
《 あーセクシー 》
《 セクシーなジジイが/コーヒーを賞味してます。 》
《 いいねー!大笑い! 》

 ネット、うろうろ。

《 と同時に、ロミ『突飛なるものの歴史』の訳者でありながら、この年になると、「奇想」といふ趣がそのままでは心奥まで届いてこなかつたのも事実である。 ロミを訳してゐるときは、奇想なるものが面白くてたまらないほどだつたのだが。 》 高遠弘美
 https://twitter.com/Thouartmore/status/1099161299483676672

《 してみるとロミの翻訳も四十代前半だからこそできたのかもしれない。私ごとき翻訳者でも、年齢を重ねると、真に魂を揺さぶられる対象が変化しうる といふことなのだらう。 》 高遠弘美
 https://twitter.com/Thouartmore/status/1099161375966785537

 時代の変化と同期しているとも考えられる。「奇想」の時代から「小原古邨」の時代へ。

《 「原発爆発」映像が呼び覚ます「3.11」の実相/倉澤 治雄 》 Bee Media
 https://bee-media.co.jp/archives/2801

《 朝に引き続きこの昼休みの時間帯も大量のダンプが建設資材を運び込もうとしている。 》 津田大介
 https://twitter.com/tsuda/status/1099874911231762437

《 職位とは分業制/役割分担のことであって、地位/階級のことではないのに、これを上下関係とする捉え方がいまだ慣例化しているのであれば、 政治家についても主権者である国民の代理ではなく、国民より偉い人だという勘違いが慣例化してしまうだろう。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1099645418919452672

《 今日路地で、ベビーカーを押すお母さんとすれ違い、車椅子の女房をささえつつ散歩する若い夫婦にすれ違い、転ばないように手を繋いでゆっくり歩く老夫婦を みかけた。脚が悪ければ、誰かが脚になればいい。そういう相互扶助が、分業制となり、社会を形成しているがゆえに、多様性こそが重視されている。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1099662582850306049

《 『夜廻り猫 【第三三十話】 》 深谷かほる
 http://www.moae.jp/comic/yomawarineco/340

《 鈴木智彦のわが人生最高の10冊 》 現代ビジネス
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59893?page=3

《 残る人生で食えるメシの回数は限られているので、一回たりとも、つまらんメシは食いたくない。 》 赤城毅
 https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/1099669874907860994