『南方熊楠』六(閑人亭日録)

 鶴見和子南方熊楠講談社学術文庫1981年初刊、1981年2刷、「付録  神社合併反対意見」を読んだ。激烈にして冷静、精確なる正論述。

《 金銭のみが財産にあらず、神社も社地も財産なり。地震、失火の際、神林によって生命、金銭を保安せる例多し。 》 262頁

《 素人には知れぬことながら、土中より炭一片を得るも、考古学上の大発見の端をこれに発し、種々貴重の研究を完成し得ること多し。しかるに無知我慾の姦民ども、 非似(エセ)神主の腹を肥やさんため、神林は伐られ、社趾は勝手に掘らるるより、国宝ともなるべき珍品、貴什が絶えず失われ、たまたまその心得ある人の手に落つるも 出所不明。したがって学術上何の効果もない。 》 278頁

《 外聞と実際と大違い、古今一轍なり。 》 282頁

《  汝や知る、田舎は海の潜水器、下るに付けて上がる吐息は  》 283頁

《 本書に引用する「神社合併反対意見」は、一九一二年四、五、六月号の『日本及日本人』に掲載された文章である。神島は、南方の請願どおり保安林として 保護されることになった。しかし、神社合祀無益の議決が貴族院を通過するまでには、十一年間の不退転の活動を要した。その間に、乏しい生活の中から七千円の私財を その運動に投じた。 》 「第三章 南方熊楠の仕事」225頁

 鶴見和子南方熊楠』読了。

 朝、地元の小学生60人余を手分けして源兵衛川へ案内。といっても、川は湧水して飛び石や板橋などが水没しているので、いろいろ迂回して最下流部へ。 そこで生きもの探し。やはり、川に入るともう夢中でバシャバシャ網を振るう。先だってよりも多くの収穫。児童は満足。先生やれやれ。当方くたくた、昼過ぎ帰宅。 水風呂に入る。ふう~。
 一階の屋上に置いた雀の餌皿に群れている雀を、猫がじっと狙っていると昨日友だちが言うので、皿を三階の屋上に移した。ワカルかなあと心配だったが、午後 空の皿に入れた餌が二時間ほどで空に。ほっ。やれやれ。

 ネット、うろうろ。

《 ていうか人間全員、命懸けで生きている。 》 津原泰水(やすみ)
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