『メビウスの地平』(閑人亭日録)

 昨日の角宮悦子歌集『ある緩徐調』後半の短歌、三首。

  腕時計の細き鎖に挟み行く海までのバスの青き切符を
  背後より抱かるるとき幾千の星が打ち合ふ閉ぢし瞼に
  魂の飛翔を焦がれ行くときも地は刺青のごとき木の影

 永田和宏歌集『メビウスの地平』茱萸叢書 限定400部 109番 1975年12月10日発行を開く。

  きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり
  背後より抱けば再び匂わんかピアノの前の忘れられた夏
  翼なき少女が窓を開け放つそのうつくしき飛翔のかたち

 時を超えた呼応。つづいて他の歌人の歌と『メビウスの地平』の呼応。

  ちる花はかずかぎりなしことごとく光をひきて谷にゆくかも
                        上田三四二
  背を抱けば四肢かろうじて耐えているなだれおつるを紅葉と呼べり

  日本脱出したし 皇帝ペンギン皇帝ペンギン飼育係りも
                        塚本邦雄
  脱出したし われとともに吹かれていたるポスター<ゴダールの秋>

   掬い挙げたい短歌はまだまだあるが、措いて。昨日の前田透の序文に出ていた中井英夫。彼の『黒衣の短歌史』潮新書1971年初版、”次のような若々しい作品”と 紹介された中から一首(209頁)。

  はずれたる腕時計の針をひそかにのせ港まつりの群に入りゆく
                          原 幸雄

 午前六時の気温は-3.1℃。午前九時過ぎ、洗濯物を干しに屋上に出ると、北隣の家の屋上の物干し竿に雀が23羽並んでいる。友だちがお碗に餌を入れるのを待っている。 以前は数羽だった。増えたものだ。食事の時の賑やかさといったら。宴会、お祭り状態。
 昼前、源兵衛川中流、時の鐘橋下流で茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。重くなって終了。5キロ強。帰宅。汗ばむ。
 「広報みしま」2月15日号裏表紙は「ご当地ナンバープレート」交付開始!の記事。その図柄の富士山は左肩下がり。これは山梨県側から見た富士山。誰も気づかなかったとは。情けないが、昨日の小冊子『みしまとまこと』も、最初の表紙図案は富士山が左肩下がり。なんでこうなるのか。  http://www.city.mishima.shizuoka.jp/kouhou/kouhou_data/kouhou_pdf/202202150/pdf/P24X24.pdf

 ネット、うろうろ。

《 手紙・はがき 翌日配達廃止 木曜投函で4日後の月曜に 》 FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/317138

《 まさか写楽も、自分の絵がコンドームになるなんて思ってもみなかっただろうな 》 平成を忘れないbot
https://twitter.com/HEISEI_love_bot/status/1494281434944929792

《 こちらも無茶苦茶。5人の首相経験者の発信した情報が正しかろうが間違っていようが、それは言論の自由なのであり、それが間違っていると決めつけて、 こともあろうに国の最高機関が非難決議をするなどというのは、自由主義国家日本が、自由主義であることをやめるという事です 》 米山 隆一
https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/1494235674639142915