『闇のなかの黒い馬』(閑人亭日録)

 埴谷雄高『闇のなかの黒い馬』河出書房新社一九七○年六月二十日発行を半世紀ぶりに再読。と書きたいが、お疲れモード。九篇からなる短篇集の第一篇の表題作を読んだのみ。しかし、これが面白い。覚醒。今だからわかる面白さ。

《 宙にふわりと浮いた私の軀は、堅く握りしめた黒馬の尾の先端に一本の吹き流しのように横倒しになつたまま、高い暗黒の虚空へ向つてゆつくりと進みはじめたのであつた。宙吊りになつた私は、そのとき、一つの閃きすぎる想念をも堅く摑んだ。もしこの手を放さなければ、と、私は自身に呟いた、《闇の果て》までゆけるのだ……。
  暗黒星雲が私の導きの星なのか、果てもない闇へのめりこみたがる本性をもつた私は、確かに、夢幻の操作にせよ、ある種の論理の操作にせよ、如何にかして、そこ、へ行かなければならない。 》

《 そこへ達するときのため用意しておいたひとつの問いかけが私にある。《暗黒──それは、光の批判者であるのか、それとも、存在の最後の過誤であるのか》暗黒のなかから不気味なほど反響もない反響、答えもない答えしか返つてこないけれども、そのとき、私は気づいた。宇宙と同じ大きさに拡がることによつてしか暗黒の果てに達し得ないのだから、私はいま宇宙と同じ大きさになつている筈である。 》

《 私自身は、自らに自らが重なつて、光が自発するまで闇を凝視めつづけているつもりだ。 》

 ネット、うろうろ。

《 6年ぶりに来ました、日本一複雑な屋根の神社建築。福井県越前市、大瀧神社の本殿幷拝殿。1843年、国指定重要文化財。 》 幣束
https://twitter.com/goshuinchou/status/1646002849619521536

《 この話に本当に興味があるなら、例えばクレメント・グリンバーグという美術評論家のことを調べてください。僕からは遠い人なので、僕は詳しくないですが。彼のピークは 60年以上前でしょうか。彼のような西洋人が芸術を定義する時代があり、そういう潮流はまだ完全には終わってはいません。 》 会田誠
https://twitter.com/makotoaida/status/1645491114068283394

《 そういう潮流は、世界中のプロフェッショナルな美学者・美術評論家・美術史家・美術館学芸員の間ではいまだ根強い、と言っていいでしょう。まあ「頑固」と言われてるタイプでしょうが。 》 会田誠
https://twitter.com/makotoaida/status/1645619329545940998

《 前世紀の日本の美術大学では、元ツイートの人みたいに「ミュシャなんて軽薄なのは芸術とは認めない!」と頭ごなしに怒る教授がリアルにいて、現代では人気の伊藤若冲さえも当時は「わかりやすすぎる、あんなの日本画じゃない」と下に見られてた。謎。 》 Midori Harada
https://twitter.com/aireverte/status/1645787404689870849

《 ジャニー氏の「性加害」証言、沈黙してきたメディアに責任は? NHKディレクターの問いかけ 》 弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/c_18/n_15884/

《 鶴岡路人×東野篤子|凍結か、早期終戦か? 「戦争の出口」を探る――二年目に入ったウクライナ侵攻 #2 》 新潮社 Foresight
https://news.yahoo.co.jp/articles/720ebfde2c75d862126ee795d60153b911de6340?page=1

《 岸田内閣の安保3文書による自衛隊基地強靱化の全国マップ。日本からの敵基地攻撃に対する報復(反撃)を想定し、自衛隊基地を優先的に守るための準備である。われわれ市民の命は、二の次、三の次ということらしい。

  #大軍拡大増税に反対します 「赤旗」4/12 》 石川康
https://twitter.com/walumono0328/status/1645972569043120128

《 今、明治以来150年ぶりの「海外移民」時代を迎えているかも知れません。でも、移民する理由が「日本にいても自分には先がないから」というのはありましたが、「日本には先がないから」というのは有史以来初めてだと思います。 》 内田樹
https://twitter.com/levinassien/status/1645957976354848768