『唯識・華厳・空海・西田』再読四(閑人亭日録)

 竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』青土社2021年4月30日第1刷発行を少し再読。

《 前章において、唯識の世界観の概要を見ることが出来た。その意図しているところは、世界には常住の本体を持つ実体としての我もなければ物等もないことを、明らかに することにあった。遍計所執性としての実体視された我(実我)もなければ法(実法)もないことを、八識心王およびそれに付随する心所法の刹那滅の相続によって説明したわけである。(引用者・略)
 その場合、我執を断じていくと、生死輪廻を解脱して涅槃を実現することができる。法執を断じて行くと、真実を洞察する菩提つまり智慧を実現することができる。唯識思想のみならず、およそ大乗仏教は我執と法執の双方を断じて、大涅槃と大菩薩とを実現して、仏に成ることを目指す道なのである。 》 第二章 槌式の哲学(二)57-58頁

《 一般に涅槃とは、煩悩の火が吹き消された状態、生死輪廻を越えた静寂な世界、と考えられている。唯識思想では、実はその涅槃を真如(=法性=空性)に見出している。(引用者・略)ゆえに修行の果てのみに見いだされるべきものではない。むしろ常に我々の足下にあるものなのである。 》 同 59頁

《 智慧が実現すると、一切法空ということを明らかに了解することになるので、どんなものにもとわらわれず、煩わされることがなくなる。そこで地獄でも餓鬼でもどこでも自由自在に入って行って、衆生救済の活動に励むことが出来るようになる。 》 同 60頁

《 こうして、大菩薩と大涅槃を実現した人が仏と呼ばれるわけであったが、大乗仏教では、この仏という存在の捉え方にも独自の視点を有している。特に唯識思想では、三身論の仏身論を主唱した。それは、自性身(じしょうしん)・受用身(じゅゆうしん)・変化身(へんげしん)というもので、その全体を法身(ほっしん)と呼ぶ。(引用者・略)
  自性身(法身)は、仏の本体に仏の身体を見るもので、仏の本体とは有為法である智慧の本性、つまり真如(=法性=空性)である。真如そのものを仏身論で見たときには、自性身と言うのである。唯識思想の場合、有為法と無為法とは厳然と区別される。したがって、この自性身に智慧は含まれない。(引用者・略)いずれにしても、自性身は究極の普遍でもある真如そのものであるので、それはまた我々凡夫の本性でもあるのである。(引用者・略)
  受用身は、修業の結果、成就した多くの功徳を受用する身という意味である。その功徳を自分において受用するのが自受用身、その功徳を他者に受用せしめるのが他受用身である。(引用者・略)
  変化身は、主に成所作智(じょうしょさち)が凡夫の五感に仏心等を描き出して、衆生を救済する活動をなすものである。 》 同 64-66頁

《 前五識は成所作智(じょうしょさち)に成るというのである。 》 同 61-62頁

 いかにも梅雨。一仕事終えて冷房。生き返った気分。今年も半分過ぎた。

 ネット、うろうろ。

《 親戚と話していて思うのは、基本的に「普通の」コミュニケーションは、踏み込んだ本当のことを言わないのが基本で、それは相手の科学的知識が間違っていたりするような客観的なことでもそう。相手が言うようにしておく。そこを破ると「傷つける」ということになる。 》 千葉雅也 Masaya Chiba
https://twitter.com/masayachiba/status/1674573130583646209

《 落雷で電源瞬断しただけでクレジット決済ができひんようになってるやんか。こんなもん健康保険証がマイナカードだけになったら即パニックになるやんか。 》 吉岡 豊(微動研究家)
https://twitter.com/YutakaYoshioka/status/1673942922369327106

《 富士通、全自治体でマイナカード交付システムを再停止 》 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC29DGC0Z20C23A6000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1688077118

《 自民党スポンサーの電力企業の利権のために高濃度放射能汚染水を処理水と偽って海洋放出を強行。自民党スポンサーのIT企業の利権のために必要ないマイナカードを強行。自民党スポンサーの土建企業の利権のために必要ないリニア新幹線を強行。結局は「自民党利の利権」だけで全てが決まる今の日本。 》 きっこ
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1674385356547039232