『空海論/仏教論』(閑人亭日録)

 清水高志空海論/仏教論』以文社2023年4月20日 初版第1刷発行、序を読んだ。
 http://www.ibunsha.co.jp/books/978-4753103744/

《 本書で試みるのは、初期仏教から密教までの哲学の初源のあり方を、現在考えられるあらゆる方法を駆使して読み解くことである。 》 ii頁

《 ようするに、東西の人類による知的営為を二千五百年にわたって遡行し、仏教が見いだした画期が何であったのかを問うたのが本書である。その過程で仏教そのものが持つ、哲学的優位についてもわれわれは改めて吟味した。縁起説と「離二辺の中道」という、初期仏教においてすでに説かれていた概念から、その必然的な再解釈として大乗仏教が生まれ、さらにそこから密教までもが生まれたことを、ここでは理論的にはっきりと後づけようとしている。 》 ii-iii頁

 前半の「第一部 二辺を離れる──十七軒講義」を読んだ。

《 清水 二〇世紀に多く見られた多文化論とは違うかたちで、「多自然論」というものの見方が、人類学や哲学において、マルチパースペクティヴィズムというかたちではっきりと出てきた。 》 13頁

《 清水 ポストモダンまでの思想が、対象世界を主体と相関的なものとしてしか理解できていない。 》 21頁

《 清水 インドの論理学では、この区別がすごくはっきりしていて、否定形になった場合に排中律にしたがって逆のことが肯定される否定(相対的否定)と、ただ否定されるだけの否定(絶対的否定)というものがある。 》 28頁

 以下、私には未だに理解できていないことが語られる。一応読んではみたが、浅学の身には・・・まだ途上。いつ到達(理解)するか。ゆっくり行く。