朝八時半から十時まで40人ほどを案内。きょうは自転車で美術館へ。開けるとすぐに来館者。やれやれ。
毎日新聞昨夕刊、渡辺裕「考える耳」のお題は「リアリティー感覚の急速な変化」。見出しは「背景にメディアとの根源的な関わり」。
「『生』の音だけが音楽『本来』の音であるわけではない。これは、われわれが音をどのように聴き、どのようなものを『本来』と感じるかということに関してもっている文化のあり方の問題なのである。時代が変わって新しいメディアが出てくれば文化モデルが変容し、どのような音を『自然』と感じるかという感性そのものも変わってゆく。」
本質を突く鋭い考えだ。
「間違っても、『美しい国』の本来の姿を過去の中に探し求めようなどという短絡的な考えに陥ってはならない。」
この結びもまた利くわ。
昨夜のNHKテレビ「プロフェッショナル」は欧米で活躍する指揮者・大野和士。すごい人だった。指揮者は失敗したら終わり、成功しかない、とは。オペラの楽団がストでいなくなったり、オペラの主演級女性歌手が出演不能に陥っても動じない。すかさず対策を練り実行する。そうして公演を成功へ導く。脱帽。
ブックオフ長泉店で三冊。大竹伸朗「ネガな夜」作品社1998年初版、嶽本野ばら「シシリエンヌ」新潮社2006年3刷帯付、村上春樹「海辺のカフカ 下」新潮社2002年3刷、計315円。