来館者のほとんどの方が「見たことがない」と感想を述べられる木の椅子。製作者の白砂さんも、最近になってやっと「見たことがない」の意義に気づかされた、と言う。あれあれ。未知の美を創造したのですよ。木工作家やアーチストが、「こういう創り方があったのか!」と驚嘆。彼らはそこに大いなる可能性を見、影響を受けた木工作品を制作、発表するだろう。昨日は陶芸家も驚嘆。「媚びない作品を創らなくては」と抱負を語った。来年がじつに愉しみ。
毎日新聞昨夕刊、川崎浩「POPS こぼれっ話」のお題は「注目の『昭和歌謡』 戦前の『源流』CDで復刻」。
《 だが、今から35年前のヒット曲を考えてみよう。75、76年のヒットといえば、荒井由美「ルージュの伝言」▽五木ひろし「千曲川」▽北原ミレイ「石狩挽歌」▽山口百恵「横須賀ストーリー」▽キャンディーズ「春一番」▽太田裕美「木綿のハンカチーフ」▽都はるみ「北の宿から」▽ピンクレディー「ペッパー警部」……さて、それほど「古い」だろうか。/ 同じ35年でも、昭和46年から見る昭和11年の距離と、平成23年から見る昭和51年の距離の差があるのが分かる。本来ならば、流行の移り変わりが激しい、近い時期の方が「遠い」「古い」と感じる。しかし、こと「大衆歌」に関しては、逆転現象が起きているのだ。/ ただ、直近のヒットは、また、違う状況を示す。平成に入ってからのヒットは「古く」感じる場合が多い。これは別の機会に。》
35年といえば、一昨日東京とさいたま市から味戸さんの絵を観に来館された二人の女性に、味戸さんの絵本『あのこがみえる』1975年刊の原画をお見せしたのだけれど、古さを全く感じなかった。お二人、息を呑んでご覧になっていた。35年を経ても新鮮。
《 繁体字は日本の文芸書と同じ縦組みで右から読む。
簡体字はアルファベット系書物と同じで、横書き、左から読む。》