古い魔術

 朝雨は上がったけれど、強風はそのままの寒い曇天。出かける予定を変更、さて、とウェブサイトを見ると以下の記事。

《 ジョン・サイレンス物の「いにしえの魔術」は萩原朔太郎猫町」と設定を同じくしていることでも有名(影響関係は証明されているんだっけ?)。ちなみに西條八十もブラックウッドの愛読者で、「古い魔術」の題でこの作品を訳している。 》 藤原編集室

 『世界大衆小説全集 7 ガイ・ブースビー/アルジャーノン・ブラックウッド』小山書店1955年初版に収録の西條八十訳「古い魔術」を読んだ。妖しい少女にたぶらかされそうになる話。じつに巧みな怪奇小説だ。一昨日紹介した林由紀子さんの「彩色銅版画」を直に連想。ついでに紀田順一郎訳「いにしえの魔術」(『ブラックウッド傑作集』創土社1972年収録)を読んでみたが、西條八十のほうがしなやかな印象。

 「猫町」つながりで、つげ義春猫町紀行』三輪舎1982年を読んだ。「あとがき」から。

《 それから二十数年とんで、つい二年程前、また猫町を読み返す機会があった。 》

《 感想はなにもなかった。私の日常が猫町どころではなかったからであった。 》

 ネットの見聞。

《 序文でもうひとつ「へえ」と思ったのはラショーモン・エフェクトという言葉。

  I found that people had such strong positive and negative emotions about Jobs that the Rashomon effect was often evident.

  ジョブズに対する周囲の証言が人によって矛盾することを黒澤映画「羅生門」から羅生門効果と呼んでいるわけだ。登場人物それぞれの立場で同じ事件に対する見方がガラリと変る。知らなかった。 》 daily-sumus

 昨日話題の『時雨の記』の妻の見方に芥川龍之介『藪の中』を連想したが。

《  TPP後発国に課せられる3つの条件。(1)合意済みの部分をそのまま受け入れ、議論を蒸し返さない。(2)交渉の進展を遅らせない。(3)包括的で高いレベルの貿易自由化を約束する。これほど侮辱され、メリットもない条約に入るのは、よほど米国が恐いのである。それしか理由が見当たらない。 》 兵頭正俊

《 俺もよくわかってないTPP。単に、農業がどうのこうのなんてのはそもそもどうでもよくて、全体的に損するのか得するのかで決めりゃぁいいと思うんだが、その算定根拠の数字がまるでないんだよな。北海道は独自試算して、大赤字らしいと聞いたものの、これだけ騒ぎになっているのに数字が全然出ないというのはどういうこと?数字があればわかりやすくていいじゃない。 》

《 人との係わりは、量より質である。 》

 ネットの拾いもの。

《 銭湯で根くらーべをしているうちに煙突から黒い煙が出てきたお話。 》

《 怒り有頂天。 》