時との戦い

 アレッホ・カルペンティエール『時との戦い』国書刊行会1977年初版を読んだ。「聖ヤコブの道」「種への旅」「夜の如くに」の三篇を収録。1956年の刊行。三作とも時間は歪む。

 「聖ヤコブの道」では 《 序章と終章とでメビューズの輪のようにつながる時間。 》

 「種への旅」では 《 ニグロの老人がひと振りした杖の魔力によって、死から蘇生、蘇生から誕生へと、いやその先の、母胎の「温く湿っぽい」肉のなかの種への状態へとたどられる。 》

 「夜の如くに」では 《 三千年にも及ぶ歴史的な時間のなかで反復されてきた人間の共同的な運命の一面が、見事な円環を構成する神話的な時間の枠のなかで描かれている。 》 鼓直

 西洋のSFではない、カリブの魔術というか、時間をテーマにしてもこれだけ違う。面白いものだ。時間といえば、タイムワープとタイムスリップ。タイムワープ( time warp )は、空間のゆがみを利用して瞬時に目的地に移動すること。タイムスリップ( time slip 》は和製英語で、過去や未来へさっと移動すること。出典は『ことばの道草』岩波新書1999年5刷。

 手元にあるカルペンティエールの未読本は『ハープと影』新潮社1984年初版と『光の世紀』書肆 風の薔薇1990年初版の二冊。間を置いて読もうと思う(どれくらいの間かなあ)。

 ブックオフ沼津南店で六冊。大西巨人『深淵(上・下)』光文社2004年初版帯付、レイ・ブラッドベリ『死ぬときはひとりぼっち』サンケイ出版1986年初版、『世界の大思想17 ルソー エミール』河出書房新社1971年初版、伊藤整日本文壇史1 開化期の人々』講談社文芸文庫1996年3刷帯付、平野純・編『上海コレクション』ちくま文庫1991年初版、計630円。

 ネットの見聞。

《 米国と日本の状況は酷似している。今でも米国を日本の手本のようにあげつらう評論家・学者はいる。「米国ではこうなっている、日本もそうすべきだ」。しかし米国の手本になりそうなものは、日本にもたくさんある。それを米国の要求通りに変えてしまい、我が国が失ったものも多いのである。 》 兵頭正俊

 ネットの拾いもの。

 「海賊とよばれた男百田尚樹、「百年法」山田宗樹。紛らわしい名前だ。どっちの小説も持っていないけど。

《 ♪ サッチャーはね マーガレットっていうんだ ほんとはね ♪ 》

《 若い世代の皆さんへ注意。イギリスの元首相サッチャーさんの「鉄の女」という呼称は、鉄道マニアという意味ではありませんよ。 》

《 この眠気と戦うより15分くらい寝てスッキリする方が得策では。15分で起きられれば、だが。 》

 時との戦いだ。