「深沢幸雄 市原市所蔵作品集」

 画集を見る愉しみのひとつに、作家の軌跡の仮説を立てることがある。昨日ふれた画集『深沢幸雄 市原市所蔵作品集』市原市市原湖畔美術館を開いて新たな仮説が浮かんだ。1955年のデビュー作から1963年までの初期を「自己の深淵への探求」といったくくりは従来どおり。1963年に始まるメキシコの文化文明との衝撃的な出合いから1999年までをひとくくりに。そして2000年から現在まで。さっそく手紙に認めて深沢氏に郵送。

 具体的な作品名は、第一期、「廃墟の貌」1955年〜「過ぎ去った日」1963年。第二期、「エル・タヒン(メキシコ市にて)」1963年〜「青い空の不死鳥」1999年。第三期、「不死鳥現る」2000年〜現在。

 その分け方は、深沢幸雄氏が深い影響を受けたダンテ『新曲』からの援用。第一期は「地獄篇」。第二期は「煉獄篇」。愛三期は「天国篇」。悪戦苦闘を続ける作家にとっては、「天国篇」ではなく、「天獄篇」だろうけど。

 その視点をもたらしたのは、「空の深みに」1967年という銅版画。題名からジョルジュ・バタイユの『空の青み』を連想。そして空の青への逆飛翔(墜落)という連想が浮かび……。

 ネットのうなずき。

《 今世紀末には気温最大で6.4度上昇ッテまだ言ってます。実証不可能なコンピュータ占いに多額の税金使うのは無駄の極み。 》 池田清彦

 ネットの見聞。

《 文豪ではなく画家なので触れなかったが、谷崎や佐藤の怪奇幻想探偵小説と並べても遜色のない作品を大正時代に創作しているのが村山槐多。我が国におけるカニバリズム奇譚の古典的名作「悪魔の舌」が有名。東雅夫編「村山槐多 耽美怪奇全集」(学研M文庫)は極めて貴重な一冊。 》 風間賢ニ

 鮎川哲也・編『怪奇探偵小説集』双葉社1976年初版で再読。村山槐多( 1896-1919 )といえば、「君に」という詩に惹かれる。第一連四行。

《   げに君は夜とならざるたそがれの
    美しきとどこほり
    げに君は酒とならざる麦の穂の
    青き豪奢               》

 「モデル女に」から結びの二連。

《   ムッシュピカソ
    ピカソさん
    あなたの画に僕はすっかり
    崇拝を捧げます

    私もあなたの如く
    立派に描きたう思つて居る
    日本のゑかきの
    新兵です               》

 You Tubeタモリの「今夜は最高!」を視聴。ナンセンスな笑いが最高。いいなあ。締めは名曲「ソバヤ」! さっそくCD、タモリ『 TAMORI 』をかける。いいわあ。これ、LPレコードは貸したきり戻ってこなかったのでCDで再購入。お、オリジナル発売日は1977年3月20日。きょうだ。
 https://www.youtube.com/watch?v=OuRoVqxwZ8w

 ネットの拾いもの。

《 原稿に「溺死」というフレーズを使ったとき脳裏に「溺死ーランドジャズ」なんつーダジャレ。 》