大江健三郎・河合隼雄・谷川俊太郎『日本語と日本人の心』岩波現代文庫2002年初版を 読んだ。河合隼雄の講演、大江、谷川を交えたシンポジウムそして谷川俊太郎の語り。 河合の講演から。
《 「耳をすます」という非常にいい表現は、ほかの国の言葉ではちょっと言いにくい のではないかと思います。こういう表現を持っているところは、日本語のなかなか 面白いところだと思います。 》
《 現代では自然科学でわかるような現実を、これが現実だというふうに思い込みすぎる 人が多すぎるので、現実というのはもっともっと層があって、多層的であって、そして 自然科学というのはそのなかのひとつの層を見ているのだというのが私の考え方なのです。 》
大江健三郎の発言から。
《 言葉そのものこわすことができない。言葉をある新しい仕組みに入れることで、 私たちは言葉の殻をこわすことができる。新しく仕事ができる。それが創造ということだ。 》 110頁
ブックオフ長泉店で六冊。井波律子『中国文章家列伝』岩波新書2000年初版帯付、 藤森照信『日本の近代建築(下)大正・昭和篇』岩波新書1993年初版帯付、風野真知雄 (かぜの・まちお)『東海道五十三次殺人事件』実業之日本社文庫2012年初版帯付、 東嶋和子(とうじま・わこ)『メロンパンの真実』講談社文庫2007年初版、古川日出男 『サウンド・トラック(上・下)』集英社文庫2006年初版、一冊80円計480円。80円だと つい買ってしまう。
東嶋和子『メロンパンの真実』の店舗紹介には広島の八天堂のメロンパンは未登場。 著者はどう評価するだろう。この文庫の後に商品化されたようだ。「文庫のための あとがき」。
《 パン界の栄枯盛衰は、IT界のホリエモンのそれに匹敵する、ホリエモン以上に 風雲急である。 》
ネットのうなずき。
《 いつの時代でも軍隊が国民を守ったことはほとんどありません。 》 池田清彦
《 でも日曜日の新聞の書評面や、雑誌のうしろのほうに申し訳ていどに載っかってる 「書評」に、もうほとんど心動かされなくなったのも事実だ。 》 都築響一
http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860112578.html
ネットの見聞。
《 都議会のヤジ問題、9万人の署名で事態が動いたと報道したメディア。なぜ、 集団的自衛権に反対する175万人(個別に提出されたものを含めればさらに多いはず) の署名の意味は問わないんだろう。市民(読者)の側に立てないメディアは国を あやうくすると思う。 》 kyoko sugimoto
《 僕は新聞にもテレビにもできれば生き延びて欲しいと思っています。でも、 生き延びるためには「死につつある」という病識を持つ必要がある。繰り返しますが、 メディアの命は批評性です。なぜ世界は今あるようにあり、それとは違うかたちを 取らなかったのかを考えることです。 》 内田樹
《 Back to Edo era!と叫ぶ先生と、その賛同者たちを江戸時代に送りこんであげたい。 江戸の虫歯体験、疱瘡体験、梅毒体験、いろいろ味わわせてあげたい。 》 芦辺拓