『十二支考 3』五(閑人亭日録)

 南方熊楠『十二支考 3』平凡社東洋文庫1973年初版、「犬に関する民俗と伝説」を少し読んだ。

《 さて先年刑死されたある人が真正の平等社会ができたら、利慾がなくなるから精神を有効に使う者がなくなるではないかとの問に対し、財物を獲べき利慾はなくなるが、 知識を進めて公益を謀る念はますます切になるゆえ、一切平等で生活のため後顧せず、安心して発明発見を事としうると言ったと聞くが、いくら社会が平等になっても人々の 好みと精力が平等にもならず、手品や落とし咄なら知らぬこと、耕さずに熟する米や、光で飯を煮る珠、また食っても尽きぬ飯を、生活一切頓着なければとて、碁将棋同様 慰み半分に発明し発見しうるだろうか。 》 137-138頁

 歴史的重要作といった美術作品に興味が薄れる。美術史の重要作よりも美術に逸せない名作名品に関心が向かう。美術史における主流傍流という分類、図式に興味はない。 作品がすべて。それがどのような歴史的意義を持つにせよ、そんなことよりも作品そのものの質というか品格というか、無二の魅力を放つ作品を。現在の遺産が只の遺物になるか未来へ受け継がれる遺産であり続けるのか。芸術遺産として受け継がれてきた作品が、いつしか只の遺物に成り下がっている・・・例があるような。逆に只の美術品と して忘れられていたモノが、名作、名品と再評価されることもある。その作品の価値を認めていた人がいたからこそ後世に伝えられた。ヨハネス・フェルメール、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは二世紀ほど忘れられていた。河鍋暁斎大英博物館の展示を受けて日本で再評価。半世紀ほどの忘却。小原古邨もそんな例に入るかもしれない。古邨は 2001年にオランダ・アムステルダム国立美術館で日本人初の回顧展。NHKを始めマスメディアに連絡したが、全く相手にされず。そして三年前、日曜美術館の放送を機に話題沸騰。伊藤若冲は、明治37年(1904年)に審美書院から『若冲名画集』が出版されている。未見。夏目漱石の小説『草枕明治39年1906年)発表でも触れられている。

《 横を向く。床にかかっている若冲の鶴の図が目につく。これは商売柄だけに、部屋に這入った時、既に逸品と認めた。 》 新潮文庫昭和63年、31頁

 半世紀余の忘却。つりたくにこは、没後三十余年、海外で発見、評価。イタリア、カナダ(英語)、スイス(フランス語)で作品集が出版。ブラジルでも出版予定。 日本では作品集の出版予定は無し。
 では、これから誰の作品が浮上するのだろう。これほど面白い予想はない。しかし、余命を数える歳では、なあ。あの爺さんは良い美術コレクションを遺したわ、と 称賛されるか、クズ、廃棄物ばかりを遺しおって、と嘆かれるか。

 ネット、うろうろ。

《 創作なんて言っても、誰しも過去にインプットしたものを自分の脳内でモチーフとしてつなぎ合わせて作っているものだ。自分のフィルターを通すことでそのモチーフが 自分の創作物になる。フィルターを通したことが伝わらないものはただの真似。それは表現者を名乗るなら絶対にやりたくないこと。 》 マキエマキ@自撮り熟女
https://twitter.com/makiemaki50/status/1407872483634540547

《 これすごいな。ガチで驚く。

  開幕まであと一か月という段階で「濃厚接触者は現地の保健所で対応せよ」と、国民の健康に責任を負う厚生労働大臣が丸投げ。

  「保健所の人員が足りないという話があれば、今あるスキームの中でお手伝いをさせていただく」

  これが今の日本政府。https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4297658.html 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1407680469022371843

《 TVを見ていましたが。五輪開催に何の疑いもいだかない番組の数々。

  このウガンダ選手団で起こったような1万分の1の出来事が、1万件とは言わなくても、1,000件でも起こったら、日本がどんなことになるのか、 想像できる人はTV人にいないのですか? 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1407720255468630027

《 >パンデミック下の五輪=真珠湾攻撃

  パンデミック下の五輪=原爆投下、と思います。 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1407905473026691075

《 1/ 常に後ろから刺す、足をすくう、手の平を返す、失敗に誘導する明るい職場に長くいたせいで自分の根性が腐りきっていたのを忘れていたが、WHO, IOC, G7の 話題を見て「騙されておく」のが外交の古典的スキルであることが日本では認知されてないような気がした。 》 よしログ
https://twitter.com/yoshilog/status/1407605810851631105

《 6/ 例えば、米国務省サイトにあるバイデン・菅会談の記録には、「選手、スタッフ、観客を守るための万全の対策」をした上で臨むオリンピックを支持すると 書いてある。万全でなかったことが発覚した時、日本人なら驚きもしないが、バイデンは驚くことも悔しがることも怒ることも恩を売ることもできる。 》 よしログ
https://twitter.com/yoshilog/status/1407605824265019392

《 「公文書改竄」という前代未聞のなりふりかまわぬ本省の指示、つまり佐川理財局長(当時)の判断はどこから出てきたのか。結果として公文書改竄を必要とするぐらい デタラメな嘘を国会答弁で言い続けることの圧力は、たんに「忖度」だったのか。与党は、この厳しい疑問に背を向けて選挙に望みをかける。 》 保坂展人
https://twitter.com/hosakanobuto/status/1407844505374523396

《 最高裁の裁判官は今年行われる衆議院選挙の際に、国民の投票で審査されます。辞めさせたいと思う人を今から覚えておくといいです。 》 町山智浩
https://twitter.com/TomoMachi/status/1407723064851271680