里見龍樹『不穏な熱帯』五(閑人亭日録)

 里見龍樹『不穏な熱帯  人間〈以前〉と〈以後〉の人類学』河出書房新社二○二二年一一月三○日初版発行、「第三章 歴史に抗する島々」を読んだ。

《 初期植民地時代のヨーロッパ人訪問者たちによる記録には、アシ地域における島々の形成史について示唆的な事実が見出される。たとえば、一九○○年代に英国国教会の船でアシ地域を訪れたクームは、同地域の島々は「二○個くらい」と記録している。また先述の宣教師アイヴェンズの著書には、一九二七年の滞在に基づき、三五個の島がそれらの名称とともに列挙されている。これに対し、本書の「はじめに」で述べた通り、現在のアシ地域には九○個以上の島が現存する。すなわち、これらの記録を信じるならば、アシの島々の大多数は、以下で述べるように、アシ地域がすでに西洋世界と継続的に接触するようになっていた二○世紀以降に建設されたものと考えられる。 》 190 -191頁

《 このように、現在見られるアシの島々は、まさしく本書で言う初期植民地時代に急速に拡大したのである。その意味で、それらはすぐれて歴史的な島々、具体的に言えば、サーリンズが描いたハワイ諸島とある意味で同様に、西洋を中心とするグローバルな政治経済の拡大という歴史的文脈の中に位置付けられるべき島々であると言える。 》 191頁

《 しかもこの時代は、次に述べる通り、「オメア」と呼ばれる戦闘・襲撃が激化した社会的混乱と流動化の時代であった。 》191頁

 ネット、うろうろ。

《 今日は夫につきあって岐阜県現代陶芸美術館の特別展を見てきた。木彫、金工、漆工、陶磁、ガラス、水墨画ペーパークラフト、切り絵、刺繍各ジャンルの現代作家と明治の超絶技巧。こういう展示を見るのは3回目くらいだがいつも「うわー」「すごー」以外の言葉が出てこない。
  https://cpm-gifu.jp/museum/exhibition?exh=exhs_current&room=Gallery-I 》 大野左紀子
https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/1626938976291663873

《 絵を「わかる」と言っている知識人が、実際はまったく絵を見ることができないで、ただそこから読み取ることのできる「言葉」や来歴だけで判断して「よい絵」と言っているのを嫌というほど見てきて失望した。

  その絵と作者の来歴、美術史上の位置を知らないで、その絵の良しあしを初見の一瞬で把握できる知識人にほとんど出会ったことがない。/造影剤CTの結果 手術 / 東京画廊BTAP 山本豊津さん 》 福山知佐子のブログ
http://chitaneko.cocolog-nifty.com/blog/2023/02/post-01bce4.html

《 あなたの趣味が何であっても、それを(他人に迷惑をかけない範囲で)好きだと表現しても良い。
  でもそれは「基本的人権の尊重」の話。
  「表現の自由」はちょっと違う。
  憲法に定められた「表現の自由」とは、権力者を批判できる権利の意味。
  それは権力側に反対者を弾圧させない為の権力側に向けた条項。 》 柿直人
https://twitter.com/kakki_nao/status/1627155245469138946

《 河野太郎はただの世襲議員で王族でも貴族でもない。日本の政治は王政でも貴族政でもない。なのになんでこんな「単なるデジタル大臣」が、国民の生殺与奪を左右できる健康保険証を勝手に廃止するだの特別措置で一年だけ有効にしてやるなどと決められるのか?

  ここに疑問を呈しない報道企業は政権の犬。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1626959776491139072