北一明の未掲載作品(閑人亭日録)

 晴天に恵まれた午前十時、久しぶりに北一明の耀変花生けを鑑賞。大宇宙を想起させる暗色の彫刻面。陽光を受け、深い暗色から燦然たる耀きへの変幻。美は細部に顕れる。不安定な体調ながら、それゆえにゆっくり(じっくり)鑑賞。北の代表的作品と評価するが、本には未掲載。後年焼成の「楊貴妃の肌みたいだ」と自賛した茶碗も、本に未掲載。そんな凄い作品は、ほかにも見受けられる。が、すごい作品が出現しても、もう購入することはないだろう。これ以上は私の手に負えない。審美書院の豪華美術本も、蒐集から手を引くつもり。私は完集を求めない。必要な作品と考える作品だけを求める。