段ボールの中の本(閑人亭日録)

 数日前、四十年を超えた網戸の交換と張替えを業者に依頼。三階の掃き出し窓の網戸は、上部が戸棚で、下は四十五センチほどの空間の先。その空間に本の詰まったダンボール箱がぎっしり詰まっていたので、後日に見ることに。今朝、時間が空いたから行きましょうか、と電話あり。朝食を中断して段ボール箱を引き出す。中小だが、重い。計十六箱。横溝正史鮎川哲也高木彬光都筑道夫水木しげる、探偵小説雑誌『幻影城』、マンガ雑誌『ガロ』、サンリオ・ギフト文庫さらには日記まで雑多。ぎりぎり間に合う。
 本の詰まった段ボール箱は屋上へ行く階段にもあって、こちらは五十箱ほど。他の部屋には大きい段ボール箱。審美書院、国華社などの明治の大型美術本が詰まっている。他に本棚・・・書斎、書庫、台所。私的図書室を作る夢を追ってこんなに増えてしまった。六十年ほど買い込んで、今や何がどこにあるのか。段ボールには作家名や全集名が記されているが。珍品は段ボール箱に詰まった『日記』。中学の卒業式からほぼ毎日(多分)書いてきた。パソコンでブログを書き始めてからは日記帳に手書きは終わった。内緒の日記。これはひっそりと処分しなくては。それはこれから考えるとして、はてさて、どうするか。友だちの娘さんが熱海市で古本屋を開く前に来訪。岩波文庫のハードカバー本、旺文社文庫のハードカバー本からジェイムズ・ジョイスユリシーズ』のハードカバーの三冊本などをどっさり選んで持っていった。が、減った気がしない。また来ないかなあ。
 ひみつの本屋
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