腰掛ける台(閑人亭日録)

 昨晩、靴を履くときに腰掛ける台を作って、と頼まれた。まず浮かんだのは、まな板ほどの大きさの板に、腰掛けるのにちょうどいい高さに切った縦板を付ける。簡単な作業だ。大きさが決まればオッケー。でも板をホームセンターに買いに行かねばならない。板だけではお尻が痛いと仰る。うーん、そこで超簡単なアイデアが浮かんだ。適当なサイズの二十センチあまりの立方体の段ボール段ボール箱の中にダンボールを重ねて詰める・・・これでオッケー。楽だねえ。無料だし。全部我が家にある。不要になれば燃えるごみ、リサイクルごみに出せる。さっそく作業。二十分足らずで完成。座ってもらう。よろしいようで。やれやれ。コーヒーを淹れる。ふう。晴れてきた。

 暁闇、悪い夢から目覚め。一閃、塚本邦雄の短歌二首がよぎる。

   革命歌作詞家に凭(よ)りかかられてすこしずつ液化してゆくピアノ

   瞋(いか)りこそこの世に遺す花としてたてがみに夜の霜ふれるかな