秋霖

 昨夜は昼間の熱気が去らなかった。でも、秋の気分でファドの新鋭ジョアナ・アメンドエイラのCD「ライヴ・イン・リスボン」を聴いた。田中勝則の解説冒頭は「夏が終れば秋がやってくる。」
 ウィスキーをチビチビ味わいながら秋……に思いを寄せて就寝。未明に秋が来た。すーっと冷えてきたので蒲団を掛けると静かに雨の音。秋霖……。いい言葉だ。でも、このパソコンでは一発変換できない。情けねえ〜。
 きょうは長袖のシャツを着る……長袖の秋。黒木瞳

 静岡新聞夕刊、内山節(たかし)「自然や歴史…崩れ行く『記憶』」から。
「この数年『記憶』という言葉が気になっている。『記憶』が崩れていく時代を感じているからである。」
「日本の伝統的な民衆思想は、真理は多様に存在し、すべてのことは矛盾とともに展開しているという発想をもっている。そのうえで、矛盾とうまくつきあっていく人間の知恵を重視する。ここには対立ではなく無事を大事にする思想があった。」
「新たな国家主義が台頭していく時代に対して、西洋的な近代思想に頼るのではなく、日本の民衆思想をとおして批判していく方法を創造してみたい。」