『ぼくらの世界』

 栗本薫『ぼくらの世界』講談社1984年初版を読んだ。『ぼくらの時代』『ぼくらの気持』に続く 三部作の第三部。薫くんは二十五歳、ミステリー界の登竜門、シャーロック・ホームズ賞を 『ぼくらの時代』で最年少受賞。受賞パーティ会場のホテルのトイレで密室殺人。それも ミステリーの見立て殺人。本格ミステリーの話がバンバン出てくる。

《 とにかくこのところ、出版界全体がひどい構造不況なのです。まあ本は売れない、しかも こっちの力を入れたものほど売れず、とんでもないタレントの書いたものやなんかが爆発的に 売れたりする。  》 11頁

 三十年前の話。今年の話として通用するわ。

《 ことに本格ミステリーときたら、黒川三郎以外は大苦戦です。ハードボイルド、スーパー・ バイオレンスにもろにくわれている。 》 11頁

 ここは隔世の感があるな。

《 なぜ、純ミステリーはどうも意気あがらないか。かんたんだ。つまり、社会派には松本清張や 村森清一というスター作家がいるが、横溝正史が亡くなって以来本格をかくスターがあらわれない、 それで田沢啓一郎や大阪冬彦のいるハードボイルド、黒川三郎の本格ユーモア物にすっかりくわれて しまっている。 》 134頁

 村森清一は森村誠一、大阪冬彦は大藪春彦、黒川三郎は赤川次郎。田沢啓一郎は? 誰かなあ。 モデルはないようだ。登場人物それぞれの人生が語られる。

《 いま、充実している人間は、決して昔の栄光など追いかけやしないし、大言壮語をだって そんなにするものじゃない。 》 156頁

《 (ぼくも歩いてゆく。信からも、ヤスヒコからもはなれて、ぼくひとりの道を──どこへ。 なにに向かって) 》 248頁

 私は、どこへ。なにに向かって。わかんねえなあ、いまも。

《 でもぼくはまだ若かった。人がみな一人で行きてゆくなどという、当然のことに、 胸をいためるほどに、まだぼくは若いのだ。 》 248頁

 ネットの見聞。

《 三音家浅丸の代表的演題は『悪名』。生前『悪名1』『2』までがレコード化されたが、 奔馬性の癌に冒された浅丸が死の直前まで病床で節付けを重ねた『3』録音テープが遺されている。 世に"浅丸ラストデイト"と呼ばれる私家録音だ。ところが三音家浅龍さんのお話では『4』 の台本が存在するという。 》 offnote
 https://twitter.com/offnote_info

 河内音頭の三音家浅丸(みつねや・あさまる)のLPレコード『悪名』ポリドールを聴く。 発売日の記載はない。A面「悪名(朝吉喧嘩鳥)」。B面「悪名(朝吉任侠道)」。原作・今東光

《 参院選まで1年を切り、足場固めと政党助成金狙いの分裂・新党騒動がまた起きた。 昨年の総選挙から1年も経たずにこの騒ぎ。面白がっているだけのマスゴミがこれを煽る。 今も、フクイチでは平日平均約6700人の方が被曝労働をしている。選挙目当ての分裂とフクイチと、 どちらが大切なのか。 》 春橋哲史
 https://twitter.com/haruhasiSF

 ネットの拾いもの。

《 モミジョンイルNHKの安倍チャンネル化 》

《 職種:Webデザイナー
  資格:学歴経験不問
  業務内容:ネット上で素材集めてつなぎ合わせるだけの簡単なお仕事です。 》