『近代日本一五○年』五

 山本義隆『近代日本一五○年』岩波新書2018年初版「第5章 戦時下の科学技術」を読んだ。

《 学者も大国意識と成長への強迫観念のどっぷり囚われていたのである。 》 157頁

《 科学動員・科学振興が叫ばれていたこの時代は、同時に、学問の自由が侵され、反文化主義・反知性主義の横行した時代でもあった。 》 170頁

《 陸軍の内部では、ニ・ニ六クーデタの敗北によって国体論や日本精神を声高に唱えていた皇道派の勢力が一掃された後、軍部独裁で総戦力体制・高度国防国家の 建設をめざす東条英機らの実務的な統制派がヘゲモニーを握った。 》 177頁

《  なにしろ満州国は、「国家」とはいえ、議会も政党もマスコミも存在しない軍と官僚だけの「国家」であり、関東軍が事実上の支配者でり、軍を背景につけている かぎり、官僚はほとんど思いのままに政策を実施しえたのである。(中略)
  日満財政経済調査会は、一九三五(S10)年に「満州産業開発5箇年計画綱領」を制定した。(中略)とりしきったのは、「革新官僚」で満州国実業部次長であった 岸信介である。 》 179頁

《 「資源小国」の観念に囚われていた日本の支配層にとって、資源確保は何事にもまさる優先事項と考えられていたのであり、満州国の建設から南方への進駐、 そして大東亜共栄圏の建設は、すべて資源の収奪を第一の目的にしていた。 》 183頁

《 戦争が「健民健兵」を必要とするかぎり、国家は国民の健康管理に配慮する必要があったのだ。 》 192頁

《 資源の確保と増産は、もちろん植民地や占領地でも最重要課題であったが、ここでもそれは現地の住民の犠牲のうえになされていた。 》 198頁

 午前、知人女性が来訪。審美書院の画集の木版画に目を瞠る。北一明の『花生』に深い興味。ダブリの作品集などを贈呈。
 午後、知人の車に同乗、ブックオフ函南店へ。平松洋子『世の中で一番おいしいのはつまみ食いである』文春文庫2014年2刷、藤本泉『オーロラの殺意』双葉文庫 1985年初版、計216円。後者はダブリだけれど、きれいなので。

 ネット、いろいろ。

《 ぼくにとっての重要なアートの特徴は、長い時間保存される可能性があるってこと。そして結局のところは、誰に何を言われようが、怒られようが (ぼくもよく怒られるけど)、自分で責任をもってやりたいことをする場所だということ。 》 田中功起
 https://twitter.com/kktnk/status/1061001036796776453

 ”重要なアートの特徴は、長い時間保存される可能性があるってこと”だなあ。

《 モードレスはどこから来たか ─オブジェクト指向UIの起源─ /上野 学 》 Bachdrop
 http://modelessdesign.com/backdrop/335

《 まさか、あの高線量地帯で・・・!? 飯舘村で来春から野焼き再開へ|NHK 福島県のニュース 》 秋田放射能測定室
 https://twitter.com/metabokenopapa/status/1061590317483229185

《 今年も流行語大賞って時期になりあれこれ話題に上るのですが、「流行語大賞のその後」とか「死語大賞」なんてのも同時にやると更に話題になるのではないかな。  》 清水 潔
 https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1061104159489839105