奥野淑子の木口木版画(閑人亭日録)

 味戸ケイコ(絵画)、北一明(焼きもの)、深沢幸雄(銅版画)らは、評価されている。1945年に亡くなった小原古邨(木版画絵師)は2018年10月のeテレ『日曜美術館』 で紹介され、一気に人気沸騰。我が家に小原古邨の木版画を撮影に来た美術書の出版社の編集人に撮影後、奥野淑子(きよこ)さんの木口木版画(版画協会展出品、落選)を 見せた。彼は一瞥仰天。奥野さんに電話してほしい、と。早速電話。いやあ、版画美術雑誌の編集者でもご存じないとは驚いた。
 http://web.thn.jp/kbi/okuno.htm
 https://k-bijutukan.hatenablog.com/entry/20070323/p1
 銀座の貸画廊からの初個展の案内葉書を見て、これは行かねば、と開廊時の正午に行くと客も本人もいない。寝坊して三十分ほど遅れて来廊。私の後に来た年配の紳士は、 美術雑誌の小さな紹介記事の小さな作品を見て来た、と。そして一番高いものを買う、と。彼女の作品がこれからどうなるかわからないが、と。敬服。私は案内葉書の作品を 購入。六千円だったかな。
 それから奥野さんは三島へ来たり、一緒に国立西洋美術館へ行ったり、彼氏の相談を受けたり。今は子育て中で版画からは遠ざかっている。あれらの木版画は、青春の 情念の迸りだったのかもしれない。奥野さんの木口木版画は、私見では戦後最高と思う。鮮烈で生命力溢れる線刻は、彼女の独壇場だと思う。しかし、ネットには情報が ほんの僅か。二十年前の小原古邨と同じだ。2000年、グーグルの検索でたった18件。うそみたいだった。

 今朝、襖を取替え。これで雨漏りの修理、台所の改修、風呂場などの水道栓の交換と続いた自宅の改修工事が終了。もう死ぬまでこのままだろう。やれやれ。
 七十一歳を迎えて物欲、所有欲が減衰。古本はもういいや、で新刊本、日比野愛子・ほか編『科学技術社会学(STS)』新曜社2021年初版を地元の本屋で受けとる。
 https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b588100.html

 ネット、うろうろ。

《 今日は風が強く、寒い。いま2℃。たった一輪、森のはずれに咲いた薔薇は、花びらがすこし落ちそうになりなっても、いっそう赤みを増し、谷を見おろしながら、 耐えている。信じられない。★ 》 巖谷國士
https://twitter.com/papi188920/status/1463419077372702722

《 主人公が大企業に勤めつつ成り上りを目論むハードボイルドの名作『蘇える金狼』(大藪春彦)を読み始めましたが、刊行時1964年の労働環境的に毎日17時に残業なしで 帰宅するので、退社後に都内から横須賀に移動してヤクザ4人射殺して証拠隠滅して翌日普通に出社したりプライベート時間の充実ぶりが凄い 》 ジェット・リョー
https://twitter.com/ikazombie/status/1463385671507214339

《 報道による権力監視が甘くなっている時代だからこそ批判的な視点が欠かせません。「批判ばかり」という認識には野党批判の常套句に近いズレを感じます。 そもそも権力監視や批判は時代によって合う合わない類のものではなく、いつの時代にも必要なものです。 》 五百旗頭幸男
https://twitter.com/yukioiokibe/status/1463724828213452804

《 野党が政権批判ばかりしているように見えるとしたら、マスコミが政権批判しないで、媚びておもねっているからいるからでしょう。本来マスコミは、 野党にそんなこと恥ずかしくて言えないはず。監視と批判は野党の仕事だもの。よくもまあ言えるわね。 》 きゃろる
https://twitter.com/carolitoh/status/1463386416512000000