『人類の起源』三(閑人亭日録)

 篠田謙一『人類の起源』中公新書2022年2月25日初版、「第二章 私たちの「隠れた祖先」──ネアンデルタール人とデニソワ人」を読んだ。

《 ここからわかることは、ネアンデルタール人と私たちが、数十万年にわたって交雑を繰り返していた可能性があるということです。 》 45頁

《 彼らと私たちの関係は非常に複雑で、いまだ完全に解明されたというにはほど遠いので、これからも定説を覆す発見が続くことになるでしょう。 》 45頁

《 一四○万~九○万年前にホモ・サピエンスネアンデルタール人、デニソワ人の共通祖先から分岐したもうひとつの人類がいて、それがデニソワ人と交雑したと 考えられているのです。 》 52頁

《 遺伝子編輯技術が進んだことで、現在ではこのような研究も可能になっているのです。すでに見つかっている残りの六○個の遺伝子についても研究が進めば、 ネアンデルタール人やデニソワ人と私たちの違いがより明確になっていくはずです。一方、このような技術の進展は、理論的にはネアンデルタール人やデニソワ人を復活 させることも可能にしています。 》 71頁

 東京新聞文化欄、佐伯啓思「本当の戦後 講和条約70年 「日本」は消えたか」冒頭。そして半ばと結び。

《 今月二十八日で戦後七十年である。サンフランシスコ講和条約が発効したのが一九五二年のこの日であった。 》

《 川端(康成)の自死の少し前、七○年の大阪万博の閉幕後、三島由紀夫が自決した。三島の最後の新聞寄稿にも、「もう日本はなくなる」と書かれていた。
  三島と川端では資質も体質もかなり違うと思うが、アメリカ化と経済成長主義のもとにある「戦後」から、「日本の文化」を守ろうという意志においては両者は 共通していた。 》

《 そして、新左翼の崩壊と、三島や川端の自死の後に来たものは、サブカルチャーや情報化、最近ではスマホやSNSに覆われた社会なのである。確かに「日本」は どこかへ消えたのだろうか。 》

 佐伯啓思川端康成三島由紀夫の考えている「日本の文化」とは何だろう。

 昨日記した北海道立美術館等作品収蔵作品データベースに、函館美術館から依頼されて寄贈した4点が掲載されている。『雪谷』『桜の窓』『わすれな草』『炎の花』。 いい絵を贈った、と思う。喜こばれたわけだ。
 午後、源兵衛川中流部、源兵衛橋下流の茶碗のカケラ、ガラス片を拾う。往来する人が多い。桜の花びらが流れていく。シャツ一枚で汗ばむ。

 ネット、うろうろ。

《 戦争になったときは「強い戦力を持つ」こと以上に「世界中と仲良くしておく」のが大事ってのがよくわかる展開だね。 》 岡田哲哉
https://twitter.com/t_okada/status/1511230145923002372

《 【今日の類は友を呼ぶ】

  安倍晋三「募ってはいるが募集はしていない」

  プーチン「攻撃はしているが殺戮はしていない」 》 きっこ
https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1511168315686735872

《 ロシアは社会主義国家でもマルクス主義を標榜する国家でもないけど、ロシアに社会主義マルクス主義を見てしまう人たちがいるというのは教える必要があるのだな。  》 T-T
https://twitter.com/tcy79/status/1510868927202865154

《 【4月新刊3 20日発売】
  芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子松宮孝明『学問と政治――学術会議任命拒否問題とは何か』
  2020年10月、著者6名は菅政権によって日本学術会議会員への任命を拒否された。あれから一年半。この事件は決して過去のものではない。その本質を当事者たちが問う。  》 岩波新書編集部
https://twitter.com/Iwanami_Shinsho/status/1510888780282032129