1989年の初夏だろうか、東京・六本木のギャラリーで画家の木葉井悦子さんから上條陽子さんを紹介された。「種村季弘さんの友だち」という木葉井さんの紹介に上條さんは反応し、『上條陽子画集』PARCO出版局1989年5月26日 第1刷を私に恵まれた。未知の画家の3500円の画集のお礼をしなくては、と三日間じっくりと画集を見つめていた。詩人の天沢退二郎が文を寄せている。彼の著書『紙の鏡』の「つげ義春論」に感心した記憶があった。が、この「この人間たち──上條陽子の絵に」の詩的文章には感心しなかった。違うな、という印象。私ならこう書く、と三日三晩うんうん唸りながら手紙を綴った。九月だったか、上野のギャラリー・ニキの上條陽子個展へ行った。再会してビックリ。私の拙い字のお礼の手紙をコピーして配っている・・・。以来、ずっとお付き合いしている。K美術館では『上條陽子画集』から選んだ絵で1998年に企画展を催した。新作の企画展を2002年に催した。
http://web.thn.jp/kbi/kamijo.htm
http://web.thn.jp/kbi/kamijo3.htm
http://web.thn.jp/kbi/zakki3.htm
先だって上條陽子さんから届いた展覧会の案内チラシに同封された手紙文(コピー)から。
《 その後、2001年から、 私は、レバノンのパレスチナ難民キャンプで、子供たちに絵画指導を行ってきましたが、2011年、シリアの内戦により、中断してしまいました。
ガザへ再訪したのは、2013年で、15年ぶりにソヘイルと再会し、画廊を案内してくれました。 》
上條陽子さんは、展覧会「パレスチナに明日はあるのか GAZA 七人の画家展」を新宿のギャラリー絵夢で3月28日(木)~4月3日(水)に開催する。
東京都新宿区新宿3-33-10 新宿モリエールビル3F 電話 03-3352-0413
案内チラシから。
《 ガザは8mの壁に囲まれ、前は海に面している。包囲されたガザの日人々は逃げ場もない。ガザは瓦礫の山となった。七人の画家が経営する画廊「エルチカ」も破壊された。ハワジリの親族十人が殺され、そしてイサの母と姪も殺された。(引用者・略)
この状況の中、かれらはどう生き抜くのか。飢えと寒さをどう耐えるのだろうか。私たちは助けに行くこともできない。
残酷すぎる。むごすぎる。(引用者。・略) 》
体調がまだ思わしくない。展覧会へ行くのは断念。