マンガ黄金時代

 今朝の『ゲゲゲの女房』に出ていた水木しげるの原画は「丸い輪の世界」(『ガロ』1966年9月号掲載)だった。この号の巻末頁には東考社ホームラン文庫「水木しげる傑作短篇」「傑作長篇」の宣伝。申込先は「株式会社青林堂 ホームラン係」とある。青林堂東考社の販売を請け負っている。昨日引用した二人の親近性を感じる。

 文藝春秋編『マンガ黄金時代 '60年代傑作集』文春文庫1986年初版、「はじめに」から。

≪「ガロ」「COM」を中心としたかつての名作をさらに精選し、ここに'60年代傑作集として再び世に問うゆえんです。≫

 解説は「イラストレーター」赤瀬川原平「大人のロマンと子供の科学」。

≪それからは「ガロ」を見るのが楽しみになった。芸術表現の、行くところまで行ってしまって間が抜けた状態のものにとっては、まるで違うところにマンガ表現というものがあったという、それを見つけた喜びである。≫

≪私にとっては、一九六○年をはさむ前後数年間の「読売アンデパンダン展」みたいなものだった。そのスペースが活気に満ちあふれていて、つぎつぎに新しい価値、新しい表現が生み出される今日も面白くて、次の日にはさらに何が出てくるかわからないという、そういうワクワクする気持が「ガロ」を取り巻いていた。≫