夢違/ 木彫の椅子展

 寒い。曇天。氷雨。美術館玄関脇の梅花空木に季節外れの白い花、三輪、蕾が二つ。九月の台風の塩害で葉が痛み、再び芽を出し……。ここで山崎ハコ「白い花」を聴く…… かな。

 きょうは白砂さんがお休み、予想どおり、こういう日にかぎっていろいろなお客さん。

 味戸ケイコさんから一月五日からの企画展用の絵100点と案内状が届く。東京新聞夕刊ほかに連載された恩田陸の小説『夢違(ゆめちがひ)』の挿絵294点から味戸さん自選の100点、どれも新聞の印刷ではわからなかった深い魅力に溢れている。小さい絵だけれども(だからこそ?)、味戸さんの特徴が見事に出ている。今から反響が楽しみ。

 7月21日に自死した音楽評論家なかむらとうようの遺書を知る。その冒頭。

《 「これは遺書ですが、人生に絶望して自死を選ぶ、といったものではありません。まだまだやらねばならない仕事がいっぱいあるのに、それらが実現するまでに要する時間のあまりの長さが予想されるので、短気な私はもう既にウンザリしてしまっており、それで自死を選ぶことにしたのです」 》

 ネットのうなずき。

《 お前ら道東来いよ。本当の捨て晒しの自然ってものを見せてやるよ。》

 四十年ほど前、夏、秋、冬に北海道を旅した。道北道東の荒涼たる原野に地の果てをいたく実感。

《  紅葉せり何もなき地の一樹にて  平畑静塔 》

《  枯れ草や住居無くんば命熱(あつ)し  永田耕衣 》