畳の部屋で障子越しの陽射しを受けて本を読む昼下がり。去年の今頃は美術館の片付けできりきり舞いだった。一年が過ぎてやっと落ち着いた気分。静かな生活を味わう。
午後、ブックオフ沼津南店へ自転車で行く。中野三敏『江戸文化評判記』中公新書1992年初版、ジョン・ファウルズ『コレクター(上・下)』白水Uブックス1988年3刷、1989年4刷、計315円。前者は「あとがき」に、
《 文化の様体には、進化論は適用できないことを思い知るべきだろう。 》
とあって購入。後者は、昔『魔術師』河出書房、『フランス軍中尉の女』サンリオを読んで面白かったので『コレクター』を読もうと幾星霜、やっと出合った。
昨日の『失われた地平線』が良かったので、その前作『学校の殺人』創元推理文庫(1960年初版、1969年5刷)を読んだ。1927年12月、とうの昔に卒業したパブリック・スクールの校長から招待状を受けた27歳の新進作家。秋に事故死した生徒について不審な点があり、調べてほしいという。何の手掛かりもないまま年が明け、そして再び事故死。そして第三の惨劇。果たして真相は?
お間抜けな連中の跋扈するドタバタお笑いミステリもいいけど、大人のユーモアと皮肉がないまぜになった、悠々迫らざる筆致の探偵小説は、これはこれでなかなか捨て難い味わいがある。原作は1932年の刊行。出版時はほとんど評判にならなかったという。『失われた地平線』が話題になりよく売れたので、前作の『学校の殺人』に日が当たった。面白いものだ。
1960年刊行のこの解説で中島河太郎は、最近の推理小説ブームで多くの作家が試みている、と書いている。
《 わが国でも幸田露伴あたりから、谷崎潤一郎、佐藤春夫、芥川龍之介とくだって、最近の松本清張、有馬頼義、福永武彦、曽野綾子、遠藤周作、火野葦平、菊村到、岩下俊作、三浦朱門、大岡昇平、今日出海、中村真一郎、小沼丹、梅崎春生、有吉佐和子、平林たい子などまで、指折る煩に耐えないくらいだ。 》
「国宝みうらじゅん いやげ物展 in TOKYO」が渋谷パルコミュージアムで催されている。2月3日(月)まで。
http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=619
《 展示内容 いやげ物シリーズ
甘えた坊主の世界/ひょうたん君の世界/ヘンジクの世界/金プラの世界/ヘンヌキの世界
ヤシやんの世界/ユノミンに世界/カスカメの世界/カスハガの世界/プリ貝の世界/
イナキャラの世界/5円ファミリーの世界/プーちゃんの世界/二穴オヤジの世界/
天狗の世界/ゴムヘビの世界/フィギュ和の世界
その他
スライドショーのいやげ物
ゆるキャラぬいぐるみ/飛び出し坊や/3Dポスター/テレホンカード/つっこみ如来像
みうらじゅんマネキン、銅像・・・他... 》
すごいね
ネットの見聞。
《 井の頭線の駅名の最後の文字を吉祥寺から渋谷まで並べると以下のようになる。
「寺 園 台 山 丘 戸 山 福 町 前 原 沢 上 前 泉 谷」
なんとなく、台地から谷へおりてくる、井の頭線が辿る地形が浮かぶ。 》
ネットの拾いもの。
《 老眼鏡のフレームのネジが緩んだので小さいドライバで締めなおそうとしたら、老眼鏡無しにはネジが見えない。 》