「松毛川(灰塚川)」

 一昨日昨日の佐藤信夫『レトリックの意味論』は、山登りの辛苦の果ての飛翔という印象だった。 9章10章だけを読んでも深い感慨は湧かなかったろう。それにしても、どれだけ理解できたか。扉は 開かれた。あとは自分の努力。ことばによる表現(発語、文)と絵画表現との相似性をしっかり感じる。 写実絵画、具象絵画抽象絵画。どれをも通底する「意味の弾性」と「言語の遊動性」。いやあ、おもしろい。

 昨日届いた松井邦雄『ル・アーヴルの波止場で』龜鳴屋2014年、池内紀「編者のことば」から。

《 当人はたしかに二十年あまり前に亡くなっているが、しかし私にはいなくなったわけではなかった。 死者との微妙な時間の遠近法は、夢の構造とよく似ている。 》

 私の周囲にもいつしか死者たちが増えていた。画家の木葉井悦子さんから高校の同級生の女性まで、 思い出は鮮やか。この部屋の壁には木葉井悦子さんの小品が掛かっている。私の死後も絵は生きてゆくだろう。

《 沁みるようにやさしい英知とはずむようにイキのいい文章。そこにきまって良質の知識が添えてある。 わが国に数少ない大人の本であって、人生の元手がかかっている。それでいていつもどこか、初々しい 少年のいたずら心にみちている。 》

 これ、そのまんま、池内紀の著作に言えるんじゃないか。先年、源兵衛川を取材に来た池内紀を案内。ここは 来て知っていると仰るので、横の路地を抜け、昔からの呑み屋街の細い路地を案内。えらく喜ばれた。子どもの ようだな、と思った。その時の記事。

《 源兵衛川は三島市街を抜けていく。広小路界隈は旧色町のなごりをとどめており、そちらの分類学も 気になったが、昼のひなかのこと、心をのこして素通り。いたずら坊主がそのまま大人になったような人の お尻にくっついて、川辺をゆるゆると下っていった。 》 『ひととき』2013年5月号(株)ウェッジ

 午前、昨日の若い女性行員来訪。午後松毛川へ行くと話すと、場所を訊かれたので教えると彼女、狩野川を挟んだ 対岸に住んでいる、と。あらあら狩野川三日月湖で、同じ大平地区ですよ。でも沼津市の名称、灰塚川はご存じない。 びっくりしている。

 午後、知人に依頼され、彼の車で松毛川(灰塚川)を案内。素晴らしい場所だ、妻子を連れてきたいと喜ぶ。 帰りがけにブックオフ函南店へ。沢村貞子『老いの楽しみ』岩波現代文庫2000年初版、多島斗志之『アールスドルフ城 1945』中公文庫2000年初版、計216円。

 ネットの見聞。

《 彼氏にするならフォロワーが異常に多い男はイヤ、とかってみんな言うけど、ほんとに?私は彼氏にするならまず、 ツイッターやるような男はイヤなんだけど、どうせやってるんならむしろフォロワー多くないとイヤだ。 ツイッターやってるのにフォロワーも増やせない男とか、ゼッタイつまんないと思うけどな。 》

 ツイッターフェイスブックも)やってなくてヨカッタ。

《 『梟の城』や『風神の門』の面白さが充分に評価されていない(と、私には思われる)あたり、 「小説家司馬遼太郎」は案外不運なのである。 》 赤城毅
 https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/699222513537003520

 『梟の城』だけは持っているばずだけど、見つからない。

《 毎日の寒暖の差が激しいと人は弱るものなのか。私はまったく気にならないが、どうしてなのだろう。
  1. 寒暖の差に気づかないほど鈍感。
  2. 体調が悪いことにも気づかないほど鈍感。
  3. この3項目に書こうと思っていた面白い文句を1と2を書いているうちに忘れてしまって死ぬほど悔しい。 》  中野善夫
 https://twitter.com/tolle_et_lege/status/699224476920057859

《 ニューヨークもボストンも記録的な寒さ。CO2の削減政策で儲けている連中は、 そのうちCO2がある濃度を超えると寒冷化の原因になると言い出しかねないな。 》 池田清彦
 https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/699107272312553474

 ネットの拾いもの。

《 原稿の送り方は人それぞれだけど、今日はWordでテキストを打ったPCモニター画面の写メールが届き喫驚した。 》

《 消費に対する罰金を強化されたらそらみんな控えるよ 》

《 妖怪あべこべ 》