『述語的世界と制度』「第三章 ノモス・制度・法のアポリア」三

 一昨日の中村雄二郎『述語的世界と制度』岩波書店1998年初版「第三章 ノモス・制度・法のアポリア」での実定法への 考察、論述はわからん、と措いて先へ進んだが、171頁にオートポイエーシス論が出てきた。この用語のおさらいで中村雄二郎 『述語集 II 』岩波新書1997年2刷、「オートポイエーシス」の項目を再読。

《 だから、オートポイエーシス的なシステムでは、開放系と閉鎖系という二律背反的な古い対立はもはや成り立たない。 システムは自己循環的な再生産という点では閉鎖系でありながら、環境世界との差異という関係を前提としている点では 開放系であるということになる。
  ところで、このオートポイエーシス的理論がさらに重要な意味を持ったのは、法学者N・ルーマンが、その『法社会学』 増補第二版の最終章で、実定法秩序の新しい解明にあたって、この理論を大きく採り入れたからである。すなわち、ルーマンは言う。 まず、実定法の秩序は〈規範的には閉じた〉システムである。実定法の体系がそこに含まれる諸要素を法的に有意味的なものに なしうるのは、ただ、実定法の体系内部の諸要素がその要素に規範的な性格を与えることだけによってである。他方、実定法の 体系は〈認知的には開いた〉システムである。というのは、実定法の体系といえども、あくまで周囲の環境世界──自然のほか、 そこには経済システムや政治システムのなどの、他のシステムも含まれる──のなかで、それとの関係においてはじめて成立 しているからである。
  こうして、ルーマンは、法システムを次のように性格づける。法システムは周囲の環境世界についてはコミュニケーションを 行なうことができるが、その環境世界とはコミュニケーションできない。つまり環境世界は、法システムに対し、いかなる 規範的性質をも導入できないのである。 》 『述語集 II 』44-45頁

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《 ここで、生命体と社会システムという二つの領域の結合は、一見恣意的であるようにみえるが、決してそうではない。 というのは、生命体に関して個体として自律性を備え、境界の自己決定を行なうのは、生命的自己創成の運動であるが、 個々の生命体がまとまって集団化するとき、とくに人間が社会を営むときには、法を初めとする社会規範の自己創成(オート ポイエーシス)的な運動が起こるからである。法は近代法だけを見るときには、自然発生的で自己創成的な性格を持つ〈慣習法〉 よりも、圧倒的に、現実改革的な〈制定法〉──外部からの拘束条件の性格を持った制定法──が中心であるようにみえる。 しかし実は、制定法といえども、社会に内在する自己創成的な活動によって受けとめられなければ実効性を持って根づきえない ことは、周知のとおりである。 》 174頁

《 私が拘束条件という概念を導入しつつ、あえてそれに制度を同一視して、制度の意味を拡張しようとしているのは、 ほかでもない。拘束条件も制度も、これまでしばしば考えられてきたように、必ずしも生命的なものを圧殺する反生命的なもの ではなく、むしろ可能的なもの、潜在的なものを現実化し、立ち上がらせる働きを持っているからである。 》 175頁

 第三章最後の「五 不文の法/正義のアポリア」は、正義の概念についての困難さを見せつけられた。まさにアポリア

《 ここにおいて必要なことは、適法性つまり形式的な法の正しさと、正義つまり法の核となる実質的な正しさとを結びつけた上で、 同時に両者を区別して問題点を明らかにすることである。 》 188頁

《 したがって、それらに真摯に耳を傾けるか否かは、どこまで深く歴史をとらえ、どこまで根本的に人間をとらえるかに 掛かっているのである。 》 189頁

 昼過ぎ、ここだけ厚い雲。雨の予感。外出を止めて昼寝。三時過ぎ外を見ると雨に濡れる道。傘をさす人。西の空は晴れ〜。 またしても局地的な前線の影響と言うんだろうな。

 今年の源兵衛川の清掃活動を調べてみた。
 川底のゴミ拾い 2/23, 3/13, 4/10, 6/12,18, 7/10, 9/10,11, 11/13, 12/3,5,26 計12回。
 草取り(草刈り) 2/25,26,27,28, 3/2,5,8, 4/14,15, 6/15,19,20,22,29, 9/3, 10/10,15,16,18, 12/17,24,25 計22回。

 ネットの見聞。

《 ビデオにとっておいた「なんでも鑑定団」見た。遺伝研が持ち込んだダーウィン種の起源の初版本、 裏表紙の見返しに貸し出しカード用の袋がべったり貼り付けてあって笑った。 》 Koichi Kawakami
 https://twitter.com/koichi_kawakami/status/813760355822354433
 http://www.tv-tokyo.co.jp/kantei/kaiun_db/otakara/20161227/06.html

《 安倍首相の「不戦の誓い」?誰も信じない。平和憲法を「みっともない憲法」と否定。憲法無視の集団的自衛権導入。 現憲法の破壊に全力を尽くす。武器輸出を解禁、大学には昨年の18倍もの予算で軍事研究へと誘い戦争を準備させる。 安倍の下で軍靴の足音は高くなるばかりだ。彼の虚言癖はやはり異常だ。 》 澤田愛子
 https://twitter.com/aiko33151709/status/814264981189312512

 ネットの拾いもの。

《 しかし民族的遺伝子ってすげーな・・・
  ユダヤの執念、チョンの怨念、チュンの野望、ラテンのアホさ、JAPの変態性・・・ 》

《 すでに安倍首相に被ばく症状が出ているのではないか?  》