DIG、深耕、CULTURE(閑人亭日録)

 昭和四十年代はジャズ喫茶が流行り「ジャズ日本烈島」とも呼ばれた。そのなかで一目置かれた店が、新宿東口の『DIG』だった。DIG=掘る。ジャズを聴く という行為は、DIG=掘ることと同義。当時のジャズ喫茶ではスピーカーからの大音量を前に低い椅子に身をかがめ、モダンジャズのビートに合わせて身体を揺する ・・・のがマニアの聴き方だった。時には奇声を上げる輩もいた(そいつはラリっていたのかも)。ジャズに没入するとは全身で演奏を受け止め、演奏に深く共感、 共振すること=DIG=掘ることと同義だった。無縁な人からすれば、おバカな連中と思っただろう奇妙なスタイルだった。
 日本でジャズ喫茶が流行った事情はわからないが、ジャズの生演奏に接する機会がじつに少なかった日本では、ジャズライヴに近い大音量で聴くという流れだと思う。 そこから俯いて聴くスタイルが発生したか。クラシック音楽の聴き方=椅子に静かに座りじっと耳をすますとは真逆の姿勢だ。
 聞くと見るとでは大違いといわれるが、絵画鑑賞とジャズ鑑賞は大違いだ。けれども深く共通するもの、こともある。一昨日書いた”言い知れぬ深さ、深み、深まりに 息を呑む”絵画鑑賞は、ジャズ鑑賞にも言えること。”息を呑む”体験をするには、鑑賞側にそれなりの態勢が求められる。漫然と接しているだけでは到底味わえない。
 絵画をじっと見る、演奏をじっくり聴き込む=DIG。その繰り返しのなかでそれまで気づかなかった細部の表現に意外な魅力、面白さを発見する。絵画、演奏の 全体の意味合いがガラリと変わる。深い鑑賞から絵画、演奏に新たな意味、局面、可能性を見出す。絵画、演奏の成立背後まで関心が広がってゆく=深耕。そして CULTURE=教養、洗練、文化へ。

 朝から出て昼前から源兵衛川などを案内。真夏日だけど、川筋は気持ち良い。午後四時帰宅。ぐったり。一寝入り。少し回復。

 ネット、うろうろ。

《 バンクシー好きな人は、実はこのテーマにはあまり関心なく、それよりも近くでじっくり見て、筆さばきとかどうなってるのかを細かく見たいと思うだろう。 私はそう。この写真、人間女性が描かれているのはなぜ?と最初は戸惑ってしまった。 》 森岡正博
  https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1180061057231929344


《 朝から昔の己がふらついていた場所をまわってたら、あまりにもおざなりなやり口で恥ずかしくなってきた。見落としが多すぎる。なんだお前、 どこに目をつけておったのだ。まあ、過渡期だったので仕方ないとは思うが…。 》 道民の人
  https://twitter.com/North_ern2/status/1179882035831164928

《 メロディの一小節を変えるとメロディ全体の相貌が変る。将棋の一駒を動かすとその全局面が一変する。絵の一部を変えるとその絵の全貌が変る。 この種の変化は科学の伝播的近接作用的因果変化とも全く違うし、遠隔作用変化とも異なる。科学的変化のない所で起る変化である。「科学の罠(物と心)」 》  大森荘蔵bot
  https://twitter.com/MONO_TO_KOKORO/status/1179173557022015489

 大森荘蔵。四十年前に本を購入。未読。ああ。

《 初期宇宙で見つかった宇宙網 -銀河とブラックホールに恵みをもたらす宇宙の清流- 》 すばる望遠鏡
  https://subarutelescope.org/Pressrelease/2019/10/03/j_index.html

《 釉薬の宇宙 》 旅するウメボシイソギンチャク
  https://blog.goo.ne.jp/tsuruchan-chi/e/774477a5d9e98ee41e8693c55fa94ba1

 北一明の茶入を知人女性が拡大鏡で写真に撮った画像。宇宙網の画像を連想。まさしく宇宙でござる。

《 キャッシュレス還元に代表される消費増税に伴う馬鹿げた「対策」に、増収分より多い6兆6000億円もの税が投入されている本末転倒ぶりも論外だが、 誰も知らない「ゆるキャラ」を含む広報費にも何と74億が投じられている。この金があれば多くの子ども食堂に通う貧困児童が助かるのに見捨てられている。 》  異邦人
  https://twitter.com/Narodovlastiye/status/1179613395248541696