木葉井悦子さんたちの手紙(閑人亭日録)

 1988年かな、種村季弘氏から未知の画家木葉井悦子さんの個展案内が届いた。銀座の画廊春秋へ。一通り絵を拝見し、画家に感想を述べた。「病み上がりの絵ですね」。 木葉井さんはえらく喜んだ。以来お付き合いが始まった。中野駅南口にあった中野虹画廊の個展では『おんまえのこうはい』を購入。
  http://web.thn.jp/kbi/kibai.htm
  http://web.thn.jp/kbi/kibai2.htm
 1993年かな、吉祥寺北口にあったトムズ・ボックスの個展で、壁の一番下の左端にあった『どんづき』を購入。「売りたくないので一番下の角にしたの」と言われた。 そのときには杖をついていらした。病気が進行していたようだ。
  http://web.thn.jp/kbi/kibai1.htm
 三十年も前のこと、記憶が曖昧。でも今書いておかないと忘れてしまう。ここまで書いて、なんか資料がないかな、と天袋を開けて「手紙」と書かれた段ボール箱を 下ろして開封。あれま、古い手紙が大型封筒に個人別に分類、整理されている。すっかり忘れていた。何年か前、溜まりに溜まった葉書手紙類を整理した。不要な手紙は 処分した。著述業や芸術家からのものはきっちり保管していた、とは。中野虹画廊の個展葉書もある。1989年6月3日~15日。種村氏からの画廊春秋の個展の案内封書もある。 1988年2月22日~3月5日。種村さんが長めの推薦文を書いている。これじゃあ行くしかなかったな。故つりたくにこさんからの私信もあるある。蘇る記憶・・・は、 ねえなあ。歳々寅年。が、胸が熱くなる。保管してあってよかったわ。多くが亡くなった方からのもの。老後の楽しみが増えたわ(もう前期高齢者じゃ)。これは山口昌男 いうところのネットワーク(交流圏)の一次資料になるのかなあ。そんなことはないよなあ。いや、あるかも。作家たちの私的一側面が見られる、という意味で。 三島という地方にいたからこそ、手紙が使われた。電話やネットではブツとして残らない。

 俳句の加藤郁乎(いくや)氏からの葉書を収めた文箱の底には雑誌(多分『スイング・ジャーナル』)の数センチ四方のレコード広告の切り抜き。中に「Comme a la Radio  Brigitte Fontaine,Areski Avec Art Ensenble of Chicago」。日本盤の『ラジオのように/ブリジット・フォンテーヌ、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ』は当時 よく聴いた。日本盤は1972年の発売のようだ。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB
  https://www.youtube.com/watch?v=XgTdI4S3hns 
 久しぶりにかける。うーん、新鮮。いいわあ。間章(あいだ・あきら)の熱い解説から。

《 あるとき決定的に出会いを持つという音楽の出会いの伝説を決して遠ざけてはいけないし、まさに〈体験〉としか言えない〈私〉と〈音〉との出会いを、〈私〉の内で 〈鮮やか〉にする時を作曲家やテクニックや理論によってしかくくれないとするならば、〈私〉は断固として〈私〉にとっての〈音楽〉について語られないだろう。 》

 私にとって1970年代最強のジャズ・バンドは、東は山下洋輔トリオ、西はアート・アンサンブル・オブ・シカゴだった。そしてそれを頂点にワールド・ミュージックへと 興味が移っていった。

 探していた『明治の文学 第11巻 内田魯庵筑摩書房2001年初版が、予想外の場所で見つかる。そんなもんだなあ。江戸川乱歩賞受賞作の某単行本、どこにあるのか ・・・あった。日下圭介『蝶たちは今……』講談社1975年初版。目の前の本棚にあった。全くう。

 ネット、うろうろ。

《  日本で、アート買うと、、、
  ●嫉妬され、そして馬鹿にされて晒し者にされる。
  ●相続する際、税金かかりすぎる。
  ●財団作ってもメリットが薄いどころか煩雑で金かかり過ぎる、からコレクション出来づらい。 》 takashi murakami
  https://twitter.com/takashipom/status/1216111831900516352

《 私財を叩いて、コレクションして、社会と共有しようにも、社会が財を持つ人間を憎むので、コレクションそのものが成立出来ない。だから良作は集めた当人の死の前に、 アート税制の優遇された諸外国へ流れて行って、日本には何にも残らないんだよね。 》 takashi murakami
  https://twitter.com/takashipom/status/1216114006416453632

《 日本は変わらない、変わりたくない。 江戸時代から明治維新があって、太平洋戦争で負けて、なのに他国での戦争景気で湧いて、タナボタ的な僅かな自由が手に入っても、楽(ラク)をして生きて行きたい人間の 同調圧力のネットワーク造りが上手なのと、 》 takashi murakami
  https://twitter.com/takashipom/status/1216115386510266369

《 脅しに弱い人の集まりなので、その網の目から逃れられなくなるんだよね。 》 takashi murakami
  https://twitter.com/takashipom/status/1216115499936841729

《 だけど、そう言う均衡が保たれてるのが、幸福の基準なので、均衡を揺さぶるアートと言う文化は不要なのだ、と言うのが、結論なんだろうね。 》 takashi murakami
  https://twitter.com/takashipom/status/1216116117409632256

《 「イスラームの論理と倫理」中田考・飯山陽 》 晶文社スクラップブック
   http://s-scrap.com/3591

 すんげえ複雑怪奇ということがわかる。

《 香川県の粟島を散策してると突如「ブラジャー観音」という立て札をみつけ何ぞ…?と思って見に行ったときの気持ちです。 》  階段巡りツイッター
  https://twitter.com/kaidanmeguri/status/1216008302313668609

《 エロビデオを700本くらい見たとき、服を着てても人の裸が透けて見えるような錯覚が起きる時があった。
  麻雀でいうところのガン牌。あのとき、おれは生まれて初めて道を極めたと思った。 》 のぐを
  https://twitter.com/nogyuwo/status/1215602479502524416

《 牌の道ではなくてはパイの道ですかw 》