「徒然草」

 昨日出版社へネット注文したティム・インゴルド『ラインズ 線の文化史』左右社2014年初版帯付が 朝届く。すごく気になった本。添付の栞の言葉。

《 生態学とは、要するに生命のラインの研究なのである。 》

 吉田兼好徒然草』(佐藤春夫・訳)河出文庫2004年初版を読んだ。まともに読むのは初めて。見聞、 法話などの雑文集か、今で言うと。自省、うなずいた箇所をいくつか。

《 二二  現代ふうは、このうえなく下品になってしまったようだ。指物師の作った細工物類に しても、昔の様式が趣味深く思われる。 》

《 三五  字のへたな人が、平気で手紙を書き散らすのは好い。見苦しいからと代筆をさせているのは いやみなものである。 》

《 六二  「ふたつ文字牛の角文字直ぐな文字曲(ゆが)み文字とぞ君は覚ゆる」 》

 ふたつ文字は「こ」、牛の角文字は「い」、直ぐな文字は「し」、曲み文字は「く」。

《 一一三 だいたい見苦しく聞き苦しいものは、老人の青年らにうちまじって、おもしろがらせる つもりで話をすること。つまらぬ身分でありながら、世にときめいた人を懇意らしく言いふらして いること。 》

《 一四○ のちにだれに譲りたいと思うものがあるなら、生存中に譲るべきである。 》

《 一四二 しからばどうして人民を恵んだらよいかと申すなら、社会の上流に立つものが奢侈浪費を やめて民を愛撫し、農業を奨励する。こうすれば下民が利益を受けること疑いない。衣食住が人並みで あるのに盗みを働く者こそ、盗人と言うべきではある。 》

《 一六七 人間たるものは自分の長所を鼻にかけず、他と競争しないのが美徳である。 》

《 一七五 世間には心得がたいことも多いものである。何かにつけて、まず酒をすすめ、むりに 飲ませておもしろがるのは、どういうわけだかわからない。 》

《 一八八 一事をかならず成就しようと思ったら、他のことの破れるのもけっして案じてはいけない。 他人の嘲笑なども恥とすることにはおよばぬ。 》

 ネットの見聞。

《 原子力規制委員の後任人事で、厳格審査を実施した地震学者の島崎邦彦氏らが去り、原発はまだ 必要と考える田中知元日本原子力学会会長などの推進派と交代する。またしても原子力村の人物。 安倍政権は何が何でも原発の再稼働を強引に進めようとしている。島崎氏が抜けると委員に地震学者は ゼロになる。 》

《 島崎邦彦委員と大島委員が原子力規制委員を辞め、田中知氏と石渡明氏が委員になる人事案が出た。 地震学者で比較的フェアな運営をしてきた島崎氏を外し、腐りきった原子力ムラのボスである田中氏を 入れるとは。何と露骨な!腐りきった安倍政権です。 》

《 原子力規制委員に就任した田中知東大大学院教授は『原子力発電四季報』2007年秋号(電事連)で 「原子力エネルギーは人類の宝である」と原子力フェチシズムを臆面もなく披瀝した人物。原子力「規制」 どころか「心中」までしかねない偏愛ぶりである。 》

《 事故直後、千葉県柏市の空間線量が上昇したことについて、東大の「環境放射線情報」は天然石や 地質の影響であり、「健康になんら問題はない」という情報を発信し、後に撤回。これをまとめたのが 田中知(さとる)氏。→東大から起きた「原子力ムラ」内部批判 》

 ネットの拾いもの。

《 優先席で朝から大声でおしゃべり中のおばさん2人組。
  前に妊婦さんが立ってても大声で「妊娠は病気じゃないから、年配が座るべきよね」って。
  そしたら横に座ってたもっと年配のおじいちゃんが、ニッコリ笑って「老いも病気じゃないですよ」 って妊婦さんに席譲ってた。
  おじいちゃんカッコイイ!! 》

《 わたしも古いもの大好きです。『古き悪しきもの』ですが。 》