『 NO LIFE KING 』

 本棚にいとうせいこう『 NO LIFE KING (ノーライフキング)』新潮社1988年初版をやっと見つけて再読。 十歳の小学生たちに熱病のように流行するディスク対応型キーボード付きコンビュータ・ゲーム(ディス・コン)、 「ライフキング」。

《 ディス・コン雑誌が何ら影響力を持たなかったことには、もうひとつ大きな理由があった。 すでに子供たちは、既成のメディアを信じなくなっていたのだ。彼らは子供同士のネットワークで、 一斉に流行のソフトを解くシフトを完成させていたからである。 》 10頁

 そこに現れる逆転したリアル。大人たちは戸惑い、禁止〜廃棄に走る。子どもたちはすり抜けて行こうと 試みる。大人のリアルと子どものリアルとの深い断絶。テレビゲームの類には全く興味がなく、縁がなかったが、 子どもたちの切迫感は、歳月を経て再読してもリアルだ。『想像ラジオ』に通じる読後感。

 それにしても見つからんはずだ。小説の棚ではなく、人文社会科学の棚にそれも、ミシェル・フーコー 『性の歴史 III 自己への配慮』新潮社1987年初版と内田隆三『消費社会と権力』岩波書店1987年初版の間。

 午後雨が止んだので三島市立公園楽寿園内の郷土資料館へ行く。「絵はがきでみる三島」展最終日。「三島 仲島新地 萬字楼」に注目。解説。

《 三島には宿場町の名残で戦後まで遊郭がありました。大正14年(1925)には5軒の遊郭が集まって 三島新地を形成しましたが、昭和31年(1956)の売春防止法成立により「その幕を閉じました。 》

 その後アパート「村岡荘」になり、後年都筑道夫のミステリ『七十五羽の烏』の屋敷のモデルになった。

 「 ZINE(ジン)」という言葉を知った。英語で「有志の人々が制作する、たいていの場合は少部数の、 非商業的な(利益を出すことが第一の目的ではない)出版物」のこと。リトルプレス、小冊子、同人誌など。 MAGAZINE(雑誌) の略みたい。『SUMUS』『BOOKISH』がそれか。

 ネットの拾いもの。

《 青天の辟易 》

《 「Windows10は非常に良いOSだと思いますよ。え?どこがですって?そりゃもちろんWindows10に アップグレードしろとしつこく出てこない所に決まってるじゃないですか」 》