午後、長泉町のベルナール・ビュッフェ美術館で催されているロベール・クートラス展へ友だちと行った。1985年に 55歳で亡くなったフランスの画家だが、全く未知の人。スマートホンほどの小さな絵がかなり多い。両手にあまるような 大きな絵はない。子どもが描いたような絵がほとんどで、額装も無しに見たら、その魅力をどこまで判別できたか。これを 見出し評価した目利きがいたとは。すごい人だ。ヨーロッパ中世の素朴画、民衆画というのか、そんな絵の遠いこだまを 感じた。子どものような絵を描きたいと言っていたピカソが、聖人の絵を描いたルオーがこれを見たら何と思っただろう。 ここには子どものような「過敏な裸の心」をもった画家がいる。未完成のような絵。ここで筆を置くとは。安藤信哉の 晩年の無心自在の絵を思う。裸心と無心。好対照の気がする。
R・クートラスだけの絵を鑑賞しているぶんには気づかないが、他の画家の絵を並置すれば、他の画家の演出性、 気どりが露わになるだろう。常設のビュッフェの初期の絵さえ演出が目につく。
http://www.buffet-museum.jp/kikaku/robert_coutelas2016.html
近藤史恵『モップの精と二匹のアルマジロ』実業之日本社ジョイ・ノベルス2011年初版を読んだ。清掃作業員キリコ シリーズの四作目にして初長編。謎解きは予想通りだったが、ぐいぐい読ませ、一気読み。深刻な内容を巧みに軽く処理。 プロの技だ。印象的な文言。
《 ぼくには結婚生活が、ひどく柔らかい羽根を持った、気弱な生き物のように思えるのだ。 》 85頁
《 結婚生活なんて、結局はそんな小さな楽しみの積み重ねだ。なのにどうして、積み重ねられずに崩れてしまう 人たちがいるのだろう。 》 166頁
《 人の運命など、明日にはどうなってしまうかわからない。
だから、幸せでいるうちは、幸福を噛みしめていればよかったのだ。 》 193頁
《 現実は、ときどき考えている以上に冷たい。
だけど、目を塞がないでいれば、その中にも少しだけ救いはあるのかもしれない。 》 213頁
《 その人が、別の人と違って特別で、その人と一緒にいて楽しくて……それだって愛情じゃないの? 》 221頁
ああ、アルマジロ。二十代の自分だ。そして今の自分(昨日書いた、オレに未来はない)。変わりゃあ変わるもんだ。
ネットの見聞。
《 【「シン・ゴジラ」内容に触れない感想1】美しい映画だった。破壊は美しく組織は美しく、 殺戮兵器も何気ない事務用品も、人間の英知も愚劣さもみんな美しかった。ただ一つ醜いものと言えばアレだが、 アレを見たとき多くの人が、いつものあの展開を予想したのではないか。なのに違ったのだから驚いた。 》 芦辺 拓
https://twitter.com/ashibetaku/status/763751720534933504
アレ? 何だろう。
《 昔は昔で大変なことは多かった気がするけどな。それこそ、ツテや人脈がないと難しかったり。 今は『才能があれば』そういう部分をブレイクスルー出来る可能性がある気が。
> 音楽が上手ければ食えた時代と、音楽の才能と商才を併せ持たないと食えない時代 》 柳樂光隆Jazz:NewChapter
https://twitter.com/Elis_ragiNa/status/763409150617399296
今は昔よりもブレクスルーする可能性ははるかに高い、と思う。
《 テナントが入らないのは、ビルが単にボロいから、単に小さいからではなく、そこに出店しても儲からないから。 つねに競争は相対的なので、競合となる立地よりもそこが劣位の儲けしか出せない場所の場合には選択されない。 新しくしても、結局はそこを改善しないと、開発した負債だけのしかかる。 》 木下斉
https://twitter.com/shoutengai/status/763876381826486272
今年電柱の地下埋設化で綺麗になった、三島駅から南へ下った通り。新築の建物も既存の建物も、一階のテナントは 空き(入居者募集)が目立つ。上記の見本例。
《 もうずいぶん前だけど,いきつけの飲み屋のカラオケで「白いブランコ」を「白いブリーフ」に替え歌をしたら ウケたのが最初で、「白ブリーフ」ってこんなにウケるんだと思った記憶があるよ(^_^) 》 岡口基一
http://www.uta-net.com/song/2613/
https://twitter.com/okaguchik/status/763620636493172736
《 世間ではオリンピックで熱く盛りあがっている夏、私はもうひとつの祭典に賭けていた。フルホン・ピック、 すなわり下鴨の古本市である。 》 智林堂
http://chirindote.exblog.jp/23101160/
《 おぉ、東京も負けじとデパート内に、古本紙風がゴゥゴゥ吹き荒れてるではないか。 》 古本屋ツアー・イン・ジャパン
http://furuhonya-tour.seesaa.net/article/440949825.html
ネットの拾いもの。
《 叩き上げの付け焼き刃 》