数日前、気になって故障したまま放置してあるレコードプレイヤーを動かしてみた。やや、回転ムラがない。すぐにへたるだろうと危惧しながらLPレコード片面をかけたが、大丈夫だった。で、昨夜はレコードかけまくり。アート・アンサンブル・オブ・シカゴ「BAP−TIZUM」1972年ライヴ盤、ビル・エヴァンス〜ジム・ホール「UNDERCURRENT」1959年録音といった大好きなジャズをまず聴く。前者の中野宏昭の解説の締めから。
「『バップティズム』は、ハードバップ調のテーマを持つODWALLAによって大団円を迎えるOHNEDARUTHから引き継がれたカタルシスは、超時間的な感覚の中で、一層、聴く者を陶酔の彼方へと宙づりにしてしまうのだ。」
うーん、そのとおりだぜい。先だってソウルノートの主人が、リサイクル店で手に入れた、彼等の1982年日本公演のライヴビデオを見せた。横浜公演の感動を思い出す。ディスクユニオンのこんなビデオをリサイクル店に卸す人がいるとは。時代は変わり果てた。
それからチョー・ヨンピル「プサン港へ帰れ」「窓の外の女」を「韓国ヒット曲決定盤」1983年から聴き、底知れぬ情念の深さにシビれ、ポルトガルはファドの女王アマリア・ロドリゲスのベスト盤の深々とした情感に酔い、夜更けてきたのでサザンオールスターズ「NUDEMAN」1982年のA面を聴く。「思い出のスターダスト」「 匂艶The Night Club 」はやっぱり大好きだ。締めはEP盤の薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃(夢の途中)」。天使の棒歌だねえ、やはり。
中村うさぎ「私という病」新潮社2006年を読んだ。これは面白い。こういう本を読みたかった。そこらの哲学本よりもパワフルで深い。今年読んだ(それほど読んでいないけど)本で最も印象深い本だ。「読んでみたら?」と、中村うさぎと同い年(1958年生まれ)の知人女性に渡してしまったので、詳しいことは書けないけど。これは勉強になる。