1月21日(月) 休館日

 午後は冷たい雨が降り出したので買いものをして後はずっと家にこもる。
 昨日の毎日新聞読書欄、右にジグムント・バウマン「コミュニティ──安全と自由の戦場」筑摩書房松原隆一郎の評、左にヤン・パトチカ「歴史哲学についての異端的論考」みすず書房沼野充義の評。右の評から。サブプライムローンの問題のような、
「こうした複雑さや不確実さは、近代以前にはありえないものだった。物販の販路は輸送能力の限界から限られていたし、職人は勝手に職場を変えることはできないもの、親方から腕に評価を受ければ生涯安定した収入が得られ、妻も大家族や隣近所のつきあいの中できりもりしていた。こうした単純さと安定の根拠は、市場が我々の視野を超えるほどの広がりをもたず、親方・弟子の関係や親族・近隣、ひとくくりに言えば『社会』に埋め込まれていたことにある。」
 左の評から。
「彼は古代から人間の歴史をたどりながら、科学技術の発展と戦争の時代に突入した人類が『魂の配慮』を失い、存在の基盤を揺るがされて危機に直面している状況を描きだしている。現代の人間とは、『昼』『生』『平和』への信頼を、『夜』『死』『戦争』によって『震撼させられた者たち』だが、人間はこの『震撼』を通じて。存在の真理に直面する可能性を獲得する。」
 この文章から私は、日本の明治以降の美術史を照射し直すヒントを得た。
 バウマンは「母国ポーランドを追われ各国を転々とした体験を有する移民知識人」、パトチカはチェコスロバキアで人権抑圧に抗議して「警察の尋問で責め立てられ、ついに脳溢血を起こして不帰の人となったのだった。」

 それにしても、前者は2730円、後者は4830円……。

 毎日新聞朝刊、「仲畑流万能川柳」から。

  怖いかも地獄で仏に出会ったら  荒川淳

 そりゃコワイ。